星の寺院…シンシナチ天文台の場合2009年01月31日 21時33分45秒

(1907年の消印のある絵葉書)

単純に外形的な類似という点で言うと、全然規模は違いますが、たとえば写真のシンシナチ大学天文台。

この場合、もちろんサンピエトロ寺院を直接モデルにしたわけではなく、新古典様式の建物(学校建築における教養主義の具現化でしょうか)にドームを載せたら、偶然似たというレベルの話だと思いますが。

なお、サンピエトロ大聖堂に関するウィキペディアの記述を読むと、ミケランジェロのオリジナル・プランでは、ドームは今のような尖頭型ではなく、完全な半球だったという話なので、そうなると一層天文台との共通点は目立ってきます。

もっとも、以上のことは実は話半分に聞くべきで、このアメリカ最古のプロフェッショナル天文台(1843年創設)は、当初は半球形ではなくて、円柱形の“ドーム”を戴いており、今のような姿になったのは、1873年、現在地に移設された後らしいので、原設計者はことさら「聖堂」っぽい外形を狙ったわけではありませんし、また公式サイトのフォトギャラリーを見ても、あんまり聖堂っぽい感じは受けません。

ただ、この絵葉書を見たときにふと教会を連想して、それ以来このテーマを温めているので、自らの歴史性を重んじて記事にしてみました。

(付記:今にして思うと、聖堂というより霊廟建築(モーソリアム)に似ているかもしれません。)

★シンシナチ大学天文台公式サイト
 http://www.cincinnatiobservatory.org/

★フォトギャラリーはこちら
 http://www.cincinnatiobservatory.org/buildings.html
 (歴史を感じさせる、いい建物ですね。)

(この項、さらにゆるゆる続く)