金満蒐書家を気取る(1)2009年11月22日 19時21分37秒

自分のお気に入りの物に囲まれて暮らすというのは、ライフスタイルとしては理想の形(の1つ)なのでしょうが、なかなか実現は難しいものです。

そこで、「囲まれている姿を夢想する」くらいで我慢しよう…というわけで、カタログをジッと覗きこんで、虚ろな表情を浮かべていることが多いです。そういう姿を他人が見たら、きっと憐みを催すか、恐怖を感じるか、いずれにしても余り気持ちのいいものではないでしょう。申し訳ないことです。

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…と、言い訳めいたことを先に書いたところで、本の紹介です。

下のリンクをたどって、去年の6月14日と18日の記事を見ていただきたいのですが(ウム、見直すと他にも懐かしい記事がいろいろありますね)、このときニューヨークで行われたクリスティーズのオークションで、天文学をはじめとする科学の稀購本の大規模な売り立てがあり、そのことを記事にしました。

>>去年の6月にタイムトリップ
http://mononoke.asablo.jp/blog/2008/06/

コペルニクスの本が2億円余りで落札されたという話題で、記事の方もちょっと興奮気味に書かれているのですが、最近そのときのオークション・カタログを見つけたので、話のタネに(そして夢想の材料に)、1冊購入しました。

■ Important Scientific Books: The Richard Green Library.
  (Tuesday 17 June 2008)
  Christie’s, 2008, 400p.

高額商品が動くオークションでも、カタログはペーパーバックという場合が多いのですが、これは布装・金文字・カラー図版貼り込みという、表紙からして、かなり金満の匂いが漂ってくる1冊。中身も上質紙にフルカラーで、間違いなく、ものすごく金満です。

で、気分だけ金満家のように取り澄まして、ページをおもむろにパラパラめくってみました。

(この項つづく)