タルホの匣…第5夜、マッチ2010年04月07日 21時36分49秒

さて以下、理科趣味の世界から、純然たる「タルホ趣味」の世界がしばらく続きます。

シガレットのお供はマッチ。
そこで、明治・大正のマッチラベルから、タルホっぽい絵柄を選んで、匣に入れることにしました。

  ◆流星をズドン!と撃ち落とした、無政府主義者のピストル。
  ◇ゴムの香と器械油の甘い匂い―20世紀の匂い―を振り撒く自転車。

もっとも、足穂の場合は、自転車そのものよりもサドル、さらに云えばサドルの孔や、サドルの上に乗っかるお尻の方が問題だったらしく、自転車はいわゆるA感覚を象徴する存在でもあります。となると、そこに配したピストルは……というのは深読みのしすぎで、この匣でそこまで「タルホ趣味」を追求したわけではありません。

   ★

閑話休題。
昔のマッチラベルは、デザイン的にも面白く、コレクターも多いようです。
検索すると関連サイトもたくさん見つかりますが、以下のサイトなど、見ていて本当に飽きません。日本のデザイン力は、昔も侮れませんね。

■バーチャルミュージアム「マッチの世界」
 (日本燐寸工業会と日本マッチラテラルが運営するサイトです。)
 http://www.match.or.jp/index.html

   ★

ところで、自転車マッチの下に、「良燧社」(りょうすいしゃ)という社名が見えます。良燧社は明治19年(1886)創業の会社。大正5年に社名は変わりましたが、その後身は現在もマッチメーカーとして存続しています。

で、社名の右側に “HIOGO 〔=兵庫〕 JAPAN”とありますが、神戸周辺がマッチの一大産地であり、戦前は神戸港からマッチをじゃんじゃん輸出していた…ということを、今回はじめて知りました。その意味でも、足穂とマッチは縁があると言えます。

聞いてみると、マッチの歴史もなかなか劇的です。
大正の末に、“マッチの世界制覇”をもくろむスウェーデン資本と、神戸のマッチメーカーとの間に劇烈な「マッチ戦争」が起こり、最終的にスウェーデン側の社長が破産・自殺に追い込まれて……そんなドラマ↓があったなんて、みなさんご存知でしたか?本当にびっくりです。

■近代神戸の足跡-神戸大学附属図書館所蔵資料から-
 マッチ(燐寸)製造業
 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/www/html/tenjikai/2005tenjikai/catalog/match.html

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