タルホの匣…第11夜、シークレット・アイテム ― 2010年04月14日 20時07分34秒
一千一夜よりは短いですが、一千一秒よりはぐっと長い十一夜をもって、タルホの匣をめぐる記事はおわりです。
最後に残ったのは、この小瓶。
これぞこの匣の心臓であり、精神であり、魂と呼ぶべきもの。
問題はビンではなく、その中身です。
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2月10日に書いた神戸旅行の記事で、自分はこんなことを書いています。
「足穂は、自分は文学碑など大嫌いだが、どうしてもというなら、トアロードのつきあたりに…と言ったらしいですが、ここがその場所。それにちなんで、私はここである儀式をしました(そのことはまた後日)。」
今日がその「後日」。
種を明かせば、私は旧トアホテル前で、盛んに小瓶を振りまわして、「トアロードの空気」を採取していたのでした。いささか芝居がかっていて、多少の気恥ずかしさはありましたが、でもトアロードの空気なくして、タルホの匣の完成はあり得ないと考え(本当はそんなことないでしょうけれど)、精いっぱいビンに空気を詰め込んだのです。
青年足穂が闊歩し、老年になってからも繰り返し追憶の対象となった場所。
足穂作品の重要な舞台ともなった、その場の空気を切り取って、タルホの匣に収めることにしました。
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では、最後に全員そろって記念撮影をしてから、「おうち」に帰ってもらうことにしましょう。
どうです?自画自賛ですが、なかなか素敵な「住人」たちではありませんか。
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