星と音楽と…ハーシェル頌2010年05月29日 18時37分52秒

(↑ハーシェルの音楽会チケット複製。背景は18世紀のドイツのオルガン曲集)

突然ですが、音楽の話題です。
下の曲がYouTubeにアップされているのに、今日気が付きました。

  ウィリアム・ハーシェル(1738-1822)作曲
  交響曲第8番ハ短調より 第1楽章アレグロ・アッサイ
  http://www.youtube.com/watch?v=ighH498VZVA&NR=1

冒頭から心を鷲づかみにされる旋律。実に格好いい曲です。

  ★

ハーシェルは元々プロの音楽家でしたが、独学で天文学を学び、本格的な天文学者に転身したのは40歳をかなり過ぎてからでした。

18世紀の技術で(言うなれば、木材と真鍮と2本の手だけで!)無現の恒星宇宙に挑んだ人。
天王星を発見し、太陽系が恒星間を疾駆していることを見出し、星雲と二重星の膨大な目録をまとめ、そしてすぐれた発想と超人的な努力によって、当時誰も予想しなかった我が銀河系の形状を明らかにした人。

彼は世俗の栄達を求めず(結果的にそれを手にしましたが)、ひたすら宇宙の構造を解明したいという、燃えるような情熱を抱いて一生を駆け抜けました。

その生き様を思い浮かべながらこの曲を聴くと、こちらの心も何だか高揚してきます。

  ★

ハーシェルの志に比べてセコイことを言うようですが、この曲が何かのCMで使われたら、日本ハーシェル協会の認知度もぐっと上がるんじゃないでしょうか…

コメント

_ S.U ― 2010年05月30日 14時41分15秒

交響曲第8番は、「星や天体の運行を思わせるロマンチックな音楽」になっていないところがかえって良いと思います。でも、第2楽章は、晴れた夕空の下での感傷の気分を思わせるように感じます。

_ 玉青 ― 2010年05月30日 18時23分48秒

記事の最後でCM云々と書きましたが、私がこの曲を聴いたとき、最初に連想したのが、高級車のCMでした。S.Uさんに引き比べ、いかにも俗っぽい感覚で、お恥ずかしい限りです。それに今の時世とも合わないですね。むしろ時代に翻弄される一家(男女)の運命を描いた映画のBGMとか…? うーん、やっぱり発想の貧困さは否めないですね(笑)。

_ S.U ― 2010年05月31日 08時04分32秒

高級車のCMに使うのは良いアイデアだと思います。今の時世と合わないなら、高級でないけど高級っぽく見せた「なんちゃって高級車」的なものに使うのはどうでしょうか。ビジネス用コンピュータなどのハイテク高級マシンでもいいかもしれません。

_ 玉青 ― 2010年05月31日 21時35分52秒

>「なんちゃって高級車」
あはは。でもハーシェルご当人は渋い顔でしょうね。
ハーシェルを顕彰する協会としては承認しがたい。却下(笑)。
ハイテク高級マシンにしておきましょう。

_ S.U ― 2010年06月01日 06時53分33秒

いずれにしても、この曲なら、作曲家としてのハーシェルが少しでも知られるようになれば、何らかのCMに登場する日が来るかもしれません。

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