棚の奥から(3)…太陽の鳥2010年07月12日 18時40分16秒

「消費税の前にまずやるべきことがあるだろう!」
まことにもっともです。もっとも過ぎて議論にもなりません。
「で、やるべきことをやった後で、どうするつもりか」を語って初めて議論になるのだと思いますが、あんまりその辺が選挙戦では伝わらなかったですね。
意図的に口をつぐんでいたのだとすれば、不誠実な人たちだと思います。

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さて、片付け道中記のつづき。
この旅路は、直線距離にしてわずか30センチぐらいの道のりですが、なかなか通うのは難儀です。ただ、たまに通ると思わずハッとすることもあります。


写真は6センチ角の台座に乗った小さな剥製。
種名がはっきりしませんが、アジアやアフリカに棲むタイヨウチョウ(スズメ目タイヨウチョウ科)の一種です。


頭と尾の碧瑠璃の金属光沢、小柄な体、スッと伸びた嘴。
南米に棲むハチドリとそっくりですが、実際タイヨウチョウには、「旧大陸のハチドリ」の異名があります。彼らもホバリングしながら花の蜜を吸うことがあり、科名のネクタリニーデー Nectariniidae は、花の蜜を神々の霊酒・ネクタルに喩えたものだとか。

日本語の「タイヨウチョウ(太陽鳥)」は英語の sunbird の直訳ですが、その鮮やかなカラーリングは、いかにも太陽の下を舞い飛ぶ熱帯の鳥という感じです。

極彩色の花、巨大な深緑の葉、その隙間からギラリと光る太陽。
小さな剥製を前に座れば、その瑠璃色の羽の向こうに、幻想の熱帯がどこまでも広がっています。

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そろそろ梅雨明けも近いですね。