過去記事フォローシリーズ…史上最大の天球儀はこんな色2010年08月05日 19時46分56秒

1900年のパリ万博に登場した、途方もない大きさの天球儀(というか、天球儀の形をしたパビリオン)について、2年前に記事を書きました。

■史上最大の天球儀(たぶん)http://mononoke.asablo.jp/blog/2008/09/02/
■パリの巨大天球儀(その2)http://mononoke.asablo.jp/blog/2008/09/03/

そのクロモ絵葉書を見つけました。
もちろん、これが100%正しいカラーリングだという保証はありませんが、でも地元パリで同時代に発行されたものなので、恐らく実景に近いものでしょう。


これを見ると、想像以上にはなやかな色合いだったようですね。
下はドンと大きくスキャンしてみたので、クリックしてじっくりとご覧ください。その場の迫力がよく分かると思います。


それにしても、突拍子もない建物です。当時のフランスの天文趣味を先導していたのはカミーユ・フラマリオン(1842-1925)で、その影響力は非常に大きかったらしいのですが、彼の著作に横溢していた幻想とイマジネーションが、この建物の造形に影響したのかもしれません。

(フラマリオンについては、syna氏(ジュール・ヴェルヌ研究会)の「ヴェルヌ周辺の文学:カミーユ・フラマリオン」を参照。)

ところで、細部の表現力において、石版は網点印刷よりも、はるかにまさっていますね。針でつついたほどの人々の姿や、たなびく旗に書かれた文字なども、驚くほど鮮明です。絵師の技量も相当なもの。