空の青、本の青。 ― 2010年08月30日 19時18分55秒
自分にとって、今いる部屋はまさに「日常」そのものですが、たまに客人をお迎えすると、その方の物の見方に感化されて、見慣れた光景が少し違って見えます。
本の背表紙なんかも、普段は全体が1枚の壁紙と化して、1冊1冊を個別に意識することもなくなっていたのが、「この本、いいですね!」と言われると、「ああ、確かにそう言われれば…」と、ちょっと新しい気分で見直したりします。思えば、これら1冊1冊は、他ならぬ私自身が「いいな!」と思って、かつて手に取ったはずなのに、いつの間に心が磨滅していたのか、ちょっと寂しくもあります。
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一昨日、ラガードさんに「天文の本には青い表紙が多いですね」と言われて、この本を思い出しました。
■Half-Hours in Air and Sky 『大空と宇宙で半時を』
Anonymous(著者名なし)
Isbister, London, 1881.
12mo., 375p.
金色の雲海の上に、ゆらりと浮び出た黄金の気球。
頭上には澄み切った濃い青い空がどこまでも広がり、月と星が静かに輝いています。
植物の縁飾りが何ともデコラティブですね。
典型的なヴィクトリア様式の装丁デザイン。
背表紙で空をにらむ望遠鏡もかっこいい。
表紙をめくると、そこにはどんな「半時」が待っているのか。
気になる中身については、また次回。。。
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