真・天文古玩…スウェーデンに住む驚異のコレクター ― 2011年05月27日 21時15分12秒
例の仕事は全然片付きませんが、気分転換に記事を書いてみます。
このブログは「天文古玩」を看板にかかげているものの、これはいわば羊頭狗肉の類で、世の中には、本当に天文古玩の名にふさわしい場所や人が、他にいろいろと存在しています。
たとえば、スウェーデンのThomas Sandberg(トマス・サンドベリ)さんの驚きのサイト。
「スウェーデンと驚異科学の世界へようこそ!
私は、主に科学の歴史と、19世紀に関連した品に興味を持っています。
私たち夫婦は、ともに珍奇なものや非凡なものに惹かれており、
そのことは以下の各項目をご覧いただければお分かりでしょう。
私たちのコレクションの一部を展示した、この小旅行を
皆さんが楽しんでいただければ幸いです。」 (トップページのサイト紹介文より)
サンドベリさんの蒐集は、オーラリーや天文古書といった天文系のモノに加えて、光学応用玩具(optical toys)や、解剖モノ、オカルト関係、吸血鬼グッズなど、まさにヴンダーな品揃えで、見ているだけで子供のようにワクワクしてきます。しかも量だけでなく、質の方もすばらしい。いずれも保存状態の良い美品ぞろいで、きっとお値段の方もすばらしいに違いありません。
このサイトを知ってから、私もマネをして同じ(と言っても、保存状態は今イチの)古書を買ってみたり、あるいは、サンドベリさんから直接モノを購入させてもらったこともありますが、スケールの違いは明々白々。まあ、目標とするには余りにも険峻な存在ですけれども、こういう人を知るにつけ、天文古玩の世界の奥深さをしみじみと感じます。
それに、サンドベリさんは、「モノとしての天文古書」の魅力を説いて止まぬ人であり、しかも「学問的な著作よりも、通俗天文学(Popular Astronomy)の本こそ、自分の関心の的だ!」と公言する、私が知る限りでは唯一の人なので、その点でも頼もしい先達として、勝手に私淑しているような次第です。
皆さんも、是非そのコレクションの凄さを味わってみて下さい。
コメント
_ S.U ― 2011年05月27日 22時19分35秒
「光学応用玩具」とはなんじゃろな、と見に行きますと、これは「のぞきからくり」の類ですね。現代は、テレビもあり、パソコンもありですが、そういう物がなかった時代に、手元でありありと風景が見えたり、形が動いたりするのがどんな感動だったのか、もはやなかなか想像できません。
_ 玉青 ― 2011年05月28日 12時07分57秒
>もはやなかなか想像できません。
卑近な例を挙げると、一頃流行った3D画像。
視力回復に良いとまことしやかに言われて、本やら、企業の販促グッズやら、いろいろなところで使われましたが、あれが初めて3Dに見えた時の感動に近いかもしれませんね。
そして、あの手の画像をなかなか3D視できない人の前で、「ああ、すごい!右の方に文字が浮かび上がっている!!」とか何とか、優越感を味わいながら鑑賞するような気分だったかもしれませんね(笑)。
近頃の3D映画やゲームは見たことがないので、どんな塩梅か分かりませんが、やっぱり最初見ると感動するんでしょうか。
卑近な例を挙げると、一頃流行った3D画像。
視力回復に良いとまことしやかに言われて、本やら、企業の販促グッズやら、いろいろなところで使われましたが、あれが初めて3Dに見えた時の感動に近いかもしれませんね。
そして、あの手の画像をなかなか3D視できない人の前で、「ああ、すごい!右の方に文字が浮かび上がっている!!」とか何とか、優越感を味わいながら鑑賞するような気分だったかもしれませんね(笑)。
近頃の3D映画やゲームは見たことがないので、どんな塩梅か分かりませんが、やっぱり最初見ると感動するんでしょうか。
_ S.U ― 2011年05月28日 15時17分49秒
視力改善用3D絵本! 私も買って楽しみました(笑)。 なるほど、100年以上前の「のぞきからくり」はあの感触ですか!
最近の3Dは流行に疎い私はあまり見たことありません。電気店で見る3D画面の携帯電話は、昔お菓子のオマケや物差しに貼ってあった見る角度によって絵がずれるシールに近いと感じます。これまた電気店で見る3Dテレビは、テーブルの上で人形が動いている感じで、もはや感動はないですが、のぞきからくりの感覚とは共通するかも。
最近の3Dは流行に疎い私はあまり見たことありません。電気店で見る3D画面の携帯電話は、昔お菓子のオマケや物差しに貼ってあった見る角度によって絵がずれるシールに近いと感じます。これまた電気店で見る3Dテレビは、テーブルの上で人形が動いている感じで、もはや感動はないですが、のぞきからくりの感覚とは共通するかも。
_ 玉青 ― 2011年05月29日 10時45分32秒
そうだ、3Dといえば、初めてホログラム映像を見た時の驚きも、100年前の「のぞきからくり」っぽい味わいだったかもしれませんね!
_ S.U ― 2011年05月29日 11時24分03秒
おぉ! 思い出しました。つくば科学万博(1985)のソ連館で見たホログラムはブッたまげーションでした。私には当該科学万博でのいちばんの驚愕展示で、めがねをかける富士通館3Dドームシアターなどの比ではありませんでした。
現代ではすでにアンティークだそうです。↓ まさにこれ。
http://holographica.blogspot.com/2010/05/special-soviet-holography.html
あの驚きは、のぞきからくりというより、精密機械からくりに近いかったかもしれません。
現代ではすでにアンティークだそうです。↓ まさにこれ。
http://holographica.blogspot.com/2010/05/special-soviet-holography.html
あの驚きは、のぞきからくりというより、精密機械からくりに近いかったかもしれません。
_ 玉青 ― 2011年05月29日 19時38分09秒
>あの驚きは、のぞきからくりというより、精密機械からくりに近かったかもしれません。
そうです、そうです。
そして100年前の人は、のぞきからくりに精密機械的印象を抱いたかもしれず、まさに歴史は繰り返す…のではないでしょうか。
そうです、そうです。
そして100年前の人は、のぞきからくりに精密機械的印象を抱いたかもしれず、まさに歴史は繰り返す…のではないでしょうか。
_ S.U ― 2011年05月30日 19時56分02秒
>のぞきからくりに精密機械的印象
そうかもしれませんね。そして、なんの変哲もない箱なり額縁なりを覗く見物人が感激したのは、人間の職人の技ではなくて、神あるいは自然が我々にこっそりと見せてくれる光の精緻な技に対してだったのでしょう。自然が相手なら歴史は繰り返して当然だと思います。
ところで、私事ですが、ソ連製のホログラム(1985)の写真をwebで見て、実物の見た時の感動がぶり返してしまいました。こんなものがオークションや古物商に出ていることはないでしょうが、もし現存する物の値段がわかる機会があれば、また教えて下さい。(もちろんお忙しくない折に)
そうかもしれませんね。そして、なんの変哲もない箱なり額縁なりを覗く見物人が感激したのは、人間の職人の技ではなくて、神あるいは自然が我々にこっそりと見せてくれる光の精緻な技に対してだったのでしょう。自然が相手なら歴史は繰り返して当然だと思います。
ところで、私事ですが、ソ連製のホログラム(1985)の写真をwebで見て、実物の見た時の感動がぶり返してしまいました。こんなものがオークションや古物商に出ていることはないでしょうが、もし現存する物の値段がわかる機会があれば、また教えて下さい。(もちろんお忙しくない折に)
_ 玉青 ― 2011年05月31日 21時47分08秒
おお、これは古玩プロパーなご依頼ですね。
了解しました。ホログラムは、当初から「アート作品」としても受容されていたので、市場に出てくる機会はきっとあるはずです。出物があれば、相場をご報告しましょう。
了解しました。ホログラムは、当初から「アート作品」としても受容されていたので、市場に出てくる機会はきっとあるはずです。出物があれば、相場をご報告しましょう。
_ S.U ― 2011年06月01日 07時21分45秒
よろしくお願いいたします。放出処分価格になっているか、国宝級遺産になっているかの両極端のどちらかではないか、と推測しています。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
最近のコメント