人体模型の面相学(3)2011年08月22日 20時57分27秒

ひょっとしたら、この話題で、「天文古玩」は多くの読者を失うことになるのかもしれません。しかし途中でやめることはできません。乗りかかった船です。人体模型が苦手な方も、観念してお付き合いいただければ幸いです。

   ★

まずはお馴染みの、比較的最近の人体模型2体。別の業者から別の時期に出品されたものですが、双子のようによく似ています。現代の製品は、たとえ個体差はあっても、その差はごく小さいのが一般的です。
 

 

下も同系統の作品。ちょっとボンヤリした表情で、無個性な、いわば万人向けの顔立ちです。
 

紙塑製時代にも先行例はあって、たとえば↓のような顔立ちが、上記タイプの祖型ではないかと思います。塗りが粗雑なせいで、受ける印象はだいぶ違いますが、目鼻立ちはよく似ています。
 

さて、この辺までは何の変哲もない話。しかし、「人体模型とは所詮こういうものさ」と決め込んでいらっしゃる方は、下の模型を見て、認識をぜひ改めていただきたい。
 

うーん、この素っ頓狂な少年はいったい何なんでしょう。職人さんの本気具合を疑いたくなりますが、でも別に人を笑わそうと思って作ったわけではないでしょう。こういう人体模型が、立派な商品として通用していた時代もかつてはあったのです。

この顔を最初見た時、「何て下手くそな造形だ!!」と思いましたが、でも、ひょっとしたら、日本人のリアルな顔立ちを追求したらこうなった可能性もあるぞ…と思い直しました。昭和20年代には、こういう顔立ちの少年が確かにいたと思います。

少なくとも、この作品は、欧米では絶対に作られることのない、人体模型の日本的展開の好例だと言えるでしょう。

(この項つづく)

コメント

_ たつき ― 2011年08月22日 22時14分18秒

こんばんは。人体模型というと、中島らもの「人体模型の夜」をどうしても思い出してしまいます。あれは直接には模型には関係ありませんが、こうしたものの存在の怪しさ・(ほめ言葉としての)きわもの性にはどうしても魅かれてしまいます。もっとも、部屋には飾れませんが。どうか明るくまぶしい部屋ではなく、薄暗い部屋にこそ似合うものたちをこれからも集め続けて、私設の博物館を目指して下さい。

_ ヒツジ ― 2011年08月22日 22時32分05秒

どちらかというと「待ってました!」という話題です(笑)
夕方理科室に忍び込んで人体模型の近くで暗くなるのを待つという遊びをしていた事を思い出します。アホですね…。

_ S.U ― 2011年08月23日 06時53分20秒

私は、人体模型は嫌いでした。気持ち悪いから、というだけでは説明できません。今回拝見して思ったのは、嫌いだった理由の一つは顔の日本的アナクロニズムのためだったかもしれません。液浸標本ほか西洋的なものは問題ありませんでした。以上は子どもの時の話です。

_ 玉青 ― 2011年08月23日 19時23分47秒

○たつきさま

薄暗い部屋に人体模型を飾っている身としては、嬉し恥ずかしのコメントですね。(笑)
ええ、これからも怪しいキワモノに囲まれた、暗い世界をどんどん目指しますよ!
(らもさんの「人体模型の夜」は、私もタイトルに惹かれて読んだんですが、人体模型は殆ど出てこないので、ちょっと肩すかしでした。)

○ヒツジさま

いやあ、こんなアホな企画にお付き合いいただき、ありがとうございます。
アホ、アホ言って恐縮ですが、まあ小利口なよりも、アホの方がなんぼ良いか知れません。
ここはお互いアホに徹して、人体模型の魅力を語り尽くすことにしましょう。(^J^)

○S.Uさま

あはは、S.U少年にはマイナスに作用したようですが、あの「日本的アナクロニズム」にはとにかくインパクトがありましたね。その辺の話題を中心に記事を続けますが、今のS.Uさんの目には、果してどんな風に映るのでしょうね?

_ S.U ― 2011年08月23日 21時46分12秒

>「日本的アナクロニズム」にはとにかくインパクト
 今でもとても好きにはなれませんが、多少免疫はつきました(笑)。とにかく批判的な声にかまわず企画を続けて下さい。

 さて、脈絡ありませんが、我々の天文同好会会誌の新号を発行しました。また、お時間のある時に、URLのリンクをご訪問いただければ幸いです。

_ 玉青 ― 2011年08月24日 21時10分27秒

理科少年、必ずしも人体模型好きとは限らず―。
とはいえ、これも理科室趣味追究の一里塚として、今しばらく耐え忍んで下さい(笑)。もうじき終る予定ですので。

さて、会誌のご紹介ありがとうございました。
旧暦の話は一読了解とはいかなかったので、何回か読み直してみます。
(そろそろハーシェル協会の会報の方もお尻に火がついてきました…汗)

_ S.U ― 2011年08月25日 08時15分42秒

 私どもの会誌をご覧下さりありがとうございます。いまのところ、約4カ月に1度しか出版されないので、時間をかけてご覧いただければありがたいです。次はハーシェル協会のほうの執筆に移りたいと思っておりますです。

_ 玉青 ― 2011年08月27日 19時30分47秒

ハーシェル協会の方は、現状だと半年に1度ぐらいしか出ないはずなのに、なぜこうもバタバタするのか…謎です。
ともあれ、何分よろしくお願いします。

_ S.U ― 2011年08月28日 11時53分00秒

>なぜこうも...
 いやまったくです。
 「霞天」さんとこにも書きましたが、我が同好会誌の執筆は、以前は発行直前の2週間でどかっとやってました。しかし、現在それはできなくなり、4カ月かけてちびちび書いてます。いろいろな原因が考えられますが、私の場合、加齢による集中力の低下に因るところが大きいようです。

_ 玉青 ― 2011年08月29日 20時23分12秒

嗚呼、加齢!
華麗、佳麗、嘉例などとも書きまするがハテサテ…

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