朋あり、遠方より来たる ― 2012年11月02日 18時42分51秒
やあ、よく来たね。お目にかかれて嬉しいよ。
まあ、毎日会っているようなもんだけど、こうしてきちんと対面するのは初めてだね。
いつもお世話になるばかりだから、一度ちゃんとお礼を言いたかった。いや、どうもありがとう。
まあ、毎日会っているようなもんだけど、こうしてきちんと対面するのは初めてだね。
いつもお世話になるばかりだから、一度ちゃんとお礼を言いたかった。いや、どうもありがとう。
どうだい、さっそく一杯?
…ああ、そうか、こいつは、君には無用のものだったね。
え?そうでもない?たまには、呷(あお)りつけてみたいときもあるって?
あはは、そんなもんかな。たしかに、君が一杯やるところをぜひ見てみたいけれども、実際どうなんだろう。こればかりは「ウロボロス的謎」というほかないね。
★
京都科学製のエタノール分子模型。
昭和50年頃の品でしょうか。「京都科学標本(株)」が「(株)京都科学」に社名変更したのは昭和63年なので、少なくともそれ以前のものです。売り手さんによれば、理化学器材問屋の倉庫に眠っていた品だそうです。
コメント
_ かすてん ― 2012年11月02日 22時00分28秒
_ 玉青 ― 2012年11月03日 07時20分08秒
まあ、ありがちな出だしですよね。(笑)
特定の出典はなくて、以前も似たような文体で記事を書いたことがありますが、自分としては、何となく乱歩とか夢野久作あたりの作品をイメージしているような…
特定の出典はなくて、以前も似たような文体で記事を書いたことがありますが、自分としては、何となく乱歩とか夢野久作あたりの作品をイメージしているような…
_ S.U ― 2012年11月03日 07時47分03秒
確かに、現代の化学用語の「エタノール」ではピンと来ませんが、相手が「酒精」君だとちょっと短い会話をしてみたくなるものですね。ウロボロスをやるかはともかくとして、酒精君は気楽なように見えて実は苦労の絶えない人なのでしょう。
たまたまですが、私は、このあいだから、かすてんさんのブログで提供された話題で、エタノール君を見つめ続けて仲良くなっていたところです(かすてんさんのブログにある通り、飲む用途ではありません)。
たまたまですが、私は、このあいだから、かすてんさんのブログで提供された話題で、エタノール君を見つめ続けて仲良くなっていたところです(かすてんさんのブログにある通り、飲む用途ではありません)。
_ かすてん ― 2012年11月03日 08時23分13秒
ほんと、野暮な質問で申し訳ありませんでした。
足穂か賢治かクシー君かと思いましたが、玉青さんの過去エントリーの出だしだったのですね。
記憶の中で、かつて読んだ名作とともに渾然一体となっていました。
本来の「酒精」君はこの模型の様に純粋ですが、我々の夜の友だちの方は不純物まじりですが、それがなんとも魅力なんですね。
足穂か賢治かクシー君かと思いましたが、玉青さんの過去エントリーの出だしだったのですね。
記憶の中で、かつて読んだ名作とともに渾然一体となっていました。
本来の「酒精」君はこの模型の様に純粋ですが、我々の夜の友だちの方は不純物まじりですが、それがなんとも魅力なんですね。
_ 玉青 ― 2012年11月03日 17時09分26秒
S.Uさん&かすてんさん
何といっても「酒の精」ですからね。偉い人には違いないんですよ。そして純粋な人です。偉くて純粋なら気苦労が絶えないの当然で、時には一杯やりたくもなるでしょう。ちっとばかし不純なところがあると、肩の力も抜けて、ご当人の魅力も一層増すのかも知れませんが…。
時に霧箱。白い線香花火のようなかそけさが魅力的ですが、ここではその軌跡を生み出すモノがいかにも切ないですね。情緒的反応ばかりでもいけませんが、面白うてやがて悲しき…の感が深いです。
何といっても「酒の精」ですからね。偉い人には違いないんですよ。そして純粋な人です。偉くて純粋なら気苦労が絶えないの当然で、時には一杯やりたくもなるでしょう。ちっとばかし不純なところがあると、肩の力も抜けて、ご当人の魅力も一層増すのかも知れませんが…。
時に霧箱。白い線香花火のようなかそけさが魅力的ですが、ここではその軌跡を生み出すモノがいかにも切ないですね。情緒的反応ばかりでもいけませんが、面白うてやがて悲しき…の感が深いです。
_ S.U ― 2012年11月03日 18時55分03秒
実験教室で霧箱製作をしてもらうと、線香花火にたとえる生徒さんもいます。情緒的な人なんでしょう。でも、かすてんさんのところでさんざん書いておいて、こちらまで霧箱を飛び火させてもいけないので、それはこのくらいにしておきまして、ちょっと些細なところにこだわるのをお許し下さい。
それはお写真の分子模型の「酒精」のラベルです。私は、「酒精」というのは、明治時代までの用語だと思っていたので、戦後の教材にこの用語を記したラベルが使われているのはちょっとひっかかります。
私のほうにちゃんとした根拠があるわけではありませんが、私が子どもの時にうちに来た酒飲みのおじさん達は(田舎の人でしたが)みんな「アルコール」と呼んでいて、「今日は酒精が良く効く」とか「あのおっさんは酒精中毒になってしもた」などと言うのは年寄りも含めて聞いた憶えがありません。これらのおじさん達の多くは、おもに戦争中に教育を受けた(あるいは酒を覚えた)年代だと思いますが、このへんはどうお考えになりますでしょうか。
それはお写真の分子模型の「酒精」のラベルです。私は、「酒精」というのは、明治時代までの用語だと思っていたので、戦後の教材にこの用語を記したラベルが使われているのはちょっとひっかかります。
私のほうにちゃんとした根拠があるわけではありませんが、私が子どもの時にうちに来た酒飲みのおじさん達は(田舎の人でしたが)みんな「アルコール」と呼んでいて、「今日は酒精が良く効く」とか「あのおっさんは酒精中毒になってしもた」などと言うのは年寄りも含めて聞いた憶えがありません。これらのおじさん達の多くは、おもに戦争中に教育を受けた(あるいは酒を覚えた)年代だと思いますが、このへんはどうお考えになりますでしょうか。
_ 玉青 ― 2012年11月03日 19時52分03秒
うーむ、些細といえば些細。(笑)
ご指摘のように、化学用語としては早くから「アルコール」に置き換わっていたと思いますが、その後も産業界では「酒精」の名称が長く使われていたような気がします。そういう事情を引きずっているのかどうか、昭和戦前の理科教材カタログを見ていたら、<化学薬品>の項には、「アルコール」「ヱチールアルコール」として出てくるのに、<加熱装置>の項には「酒精燈」(アルコールランプのこと)の名称が挙がっていました。ひょっとしたら、理科室内部でも、二つの名称が混用されていた時代が結構長かったのかもしれません。(ちなみに、病院で使う「酒精綿」は今でも現役の言葉のようですね。)
ご指摘のように、化学用語としては早くから「アルコール」に置き換わっていたと思いますが、その後も産業界では「酒精」の名称が長く使われていたような気がします。そういう事情を引きずっているのかどうか、昭和戦前の理科教材カタログを見ていたら、<化学薬品>の項には、「アルコール」「ヱチールアルコール」として出てくるのに、<加熱装置>の項には「酒精燈」(アルコールランプのこと)の名称が挙がっていました。ひょっとしたら、理科室内部でも、二つの名称が混用されていた時代が結構長かったのかもしれません。(ちなみに、病院で使う「酒精綿」は今でも現役の言葉のようですね。)
_ S.U ― 2012年11月03日 21時05分44秒
なるほど。わかったようなわからんような話ですが、だいたいわかりました(笑)。酒精というのは、意外にもけっこうあとを引く、ということですね。(←おいおい、ほんまにわかったんかいな)
_ 玉青 ― 2012年11月04日 11時10分56秒
あはは、ではまあ酒の精に免じてわかったことにしてください。(^J^)
_ 玉青 ― 2012年11月04日 20時48分24秒
(おまけ)余談ですが、現在も加工食品の原材料名欄に「酒精」の語があるのを発見。この表示は、どうやら食品衛生法(とその関連法令)にしばられているらしいです。
_ S.U ― 2012年11月05日 07時28分12秒
>「酒精綿」、食品衛生法
この用語は、故・大原麗子さんのCMではありませんが、今や少しだけだけれど長~く愛されているのですね。本当によくわかりました。
この用語は、故・大原麗子さんのCMではありませんが、今や少しだけだけれど長~く愛されているのですね。本当によくわかりました。
_ 玉青 ― 2012年11月05日 21時31分12秒
それでは宴たけなわですが、この辺でひとまず中締めにしましょう。
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すっごい野暮なことを尋ねてしまいますが、この出だしって何でしたっけ?どこかで読んだことがあるのですが?