骨董天文店を夢想する2012年12月30日 07時44分04秒

いよいよ年も押し詰まってきました。
気ばかり焦りますが、とりあえず一服して記事を書きます。

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「骨董天文店」と聞くと、Flickrで見かけた、パリの理系骨董と古書の店、アラン・ブリウ書店の店先↓とか、
 
(出典: Librairie Alain Brieux, Window Display

ニューヨークで、天球儀やオーラリーなどをにぎにぎしく商っている、ジョージ・グレイザー・ギャラリーの店内↓などを連想します。

(出典: Globes with George Glazer - Martha Stewart(動画))

たしかに、いずれも骨董天文店の名に値するお店です。
ただし、そこに並ぶのはずっしりとした本格骨董ばかりで、シガレットカードや絵葉書のようにエフェメラルなものとか、20世紀の児童書や玩具といった「駄菓子骨董」は置いていませんし、畑違いであるせいか、アンティーク望遠鏡のような光学機器も扱っていないようです。

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もし新規オープンの骨董天文店に、自由に注文をつけられるとしたら…

まず望遠鏡は外せないので、鈍い金色の筒が林立していて欲しい。
(さらに、20世紀に作られた日独のビンテージ望遠鏡の逸品(きりりとした白い筒!)が、さりげなく置かれていると、いっそう奥ゆかしい。)
そして星図。背の高いチェストの中には、大量の古星図が眠っていて欲しい。
もちろんオーラリーもあちこちに置かれていて欲しい。
壁には、さまざまな星座早見盤が掛かっていて欲しい。
店の奥には天井までの本棚があって、ルネサンス期から20世紀まで、各時代の天文古書がぎっしり詰まっていて欲しい。(愛らしい児童書の棚も欲しい。)
店の一角には、天文モチーフのポストカード紙モノを並べたコーナーが欲しい。
ノスタルジックなスペース・エイジもの(玩具やバッジ、スーヴニール)も置いて欲しい。

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まったくの妄想にはちがいありません。
けれども、こうして書いていると、結局これは「天文古玩」というブログを通して、形を与えたかった世界そのものだという気もしてきます。
「天文古玩」とは、理想の骨董天文店を訪問するための、脳内における果敢ない試みだったのかもしれません。


【付記】 上記2店舗については、過去記事でも触れています。

○アラン・ブリウ書店
・動画で登場、パリの“理系骨董+古書”の店
 http://mononoke.asablo.jp/blog/2009/07/03/4411040
・世界のヴンダーショップ(3)
 http://mononoke.asablo.jp/blog/2009/07/19/4444908

○ジョージ・グレイザー・ギャラリー
・天文古玩の本丸
 http://mononoke.asablo.jp/blog/2007/07/15/1656298