ヴンダー日和 ― 2013年03月08日 08時37分25秒
温かくなりました。
心が浮き立つ一方、薄曇りの空、おぼろな日差しに、何となく頭がどんよりとします。
心が浮き立つ一方、薄曇りの空、おぼろな日差しに、何となく頭がどんよりとします。
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ロンドン在住のジュエリーデザイナー&フォトグラファーの Kotomicreations さんが、美しい写真と平明な文章で、英国内外の「美&驚」スポットを紹介するブログ、「Visual 標本箱」。2010年にスタートして、いまや膨大な画像と情報の集積場所となっています。
その最近の記事で、オランダのレンブラント・ハウス博物館が紹介されているのですが、それを拝見して、あの画家のレンブラント(1606-1669)が、自宅兼アトリエにヴンダーカンマー(彼はオランダ人ですから、そうは呼ばなかったでしょうが)を築いていたことを知りました。
■Rembrandt House Museum(レンブラント・ハウス博物館)-2-
http://kotomicreations.blog69.fc2.com/blog-date-20130305.html
彼は著しい浪費家であり(ヴンダーカンマーはその原因であり、同時に結果でもありました)、晩年は経済的に完全に破綻してしまい、その珍奇コレクションも競売に付されたため、現在はその跡をとどめていません。しかし、その際作られた競売リストによって、彼のコレクションの全容をうかがうことができるらしいです。
上の記事によれば、それは「アウグストゥス帝、ネロ帝の胸像、東インド会社経由のアジアの皿、鉱物・貝類標本、版画類、本、写本、剥製、昆虫・植物標本、地球儀、ガラス器、コイン、メダル…等々」から構成されており、人工物と自然物が混淆した、まさに絵に描いたようなヴンダーカンマーであったようです。現在、博物館となっている旧居には、それをもとに、彼のコレクション室が再現されています。
私は美術については淡白な方ですが、この一事を以て、レンブラントがいっぺんに好きになりました。ヴンダー好きであり、そして後先考えぬ浪費家であった(らしい)ところが、床しい先達として身近に感じられます。
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そんなわけで、レンブラントとは全然関係ありませんが、今日はちょっとヴンダー味の濃い一角を撮ってみました。
私が憧れるのは、もちろん自然物中心の「理科室風驚異の部屋」であることはまちがいありません。でも、人の手になる珍物っぽい品も嫌いではありません(むしろ好きです)。
ここの主は何といっても、この目玉ボルト。
ドールアイを螺子(ねじ)に埋め込んだもので、元は某アーティスト氏が手慰みに作ったものと聞きました。
ドールアイを螺子(ねじ)に埋め込んだもので、元は某アーティスト氏が手慰みに作ったものと聞きました。
倒せば眠り、起こせばゆっくりと目を開けます。
だから何だという気もしますが、春の日永に、こちらも半眼で対話するにはちょうどいい相手のような気がします。
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