ガラススライドを飾る ― 2013年03月09日 16時55分43秒
天文関係の古いガラススライドを一時だいぶ集めて、今でもかなりの枚数が引き出しに眠っています。その割にこのページに登場する機会が少ないのは、もっぱら写真が撮りにくいせいです(…普通に撮ると何が写っているのか分からない)。
そんな折、理系アンティークを扱っているトロワ・ブロカントさんのページで、透明フォトスタンドを使ってディスプレイするというアイデアを教えていただきました。たまたま昨日、無印良品に行ったら、アクリル製の安価なフォトフレームが売っていたので(税込368円也)、さっそく試してみたら、これがなかなか良い具合です。
まだ不慣れなため、ねじを締めすぎてアクリル板がたわんでしまいましたが、上手に調節すると、もっときれいに挟むことができます。逆に言うと、アクリルの柔軟性のおかげで、これぐらい締め付けても、スライドの方には傷が付かないので安心です。
欲を言えば、ネジを4か所留めないといけないので、スライドの出し入れがちょっと面倒なのと、ホコリが付きやすいのが玉に瑕ですが(上の写真でもかなり目立ちます)、まあ、これは受忍限度内でしょう。
ともあれ、これまで死蔵されていた品が、今後はもっと活躍するかもしれません。
欲を言えば、ネジを4か所留めないといけないので、スライドの出し入れがちょっと面倒なのと、ホコリが付きやすいのが玉に瑕ですが(上の写真でもかなり目立ちます)、まあ、これは受忍限度内でしょう。
ともあれ、これまで死蔵されていた品が、今後はもっと活躍するかもしれません。
窓際に置くと、透過光で星空がきれいに透けて見えます。
被写体は、銀河の流れが特に濃やかな射手座方向の恒星雲(star cloud)。
ちなみにこのスライドは、イギリスの Newton 社が、1930年頃に天文教育用として売り出したセットものの1枚。同社は19世紀半ばに創業し、1950年代まで商売を続けたスライドの老舗メーカーです。
<参考URL:Newton 社について>
LUCERNA - the Magic Lantern Web Resource
http://www.slides.uni-trier.de/organisation/index.php?id=1000428
LUCERNA - the Magic Lantern Web Resource
http://www.slides.uni-trier.de/organisation/index.php?id=1000428
コメント
_ S.U ― 2013年03月10日 05時26分58秒
お持ちのガラススライドは、日本で撮影に使われていたガラス乾板と同じ「物質」でしょうか? そうでしたら乳剤面の剥離など保存上の物理的耐性についてご教示ください。
_ 玉青 ― 2013年03月10日 12時13分04秒
保存のことまでは考えていなかったので、一瞬ドキッとしました。(笑)
ガラススライドは、支持体であるガラスの表面に、感光剤を含むエマルジョン層が乗っているという点では、ガラス乾板と基本的に同じ構造のものだと思います。
ただし、スライドの製作は、オリジナルの乾板と密着させてコンタクトプリントすることが多く、要するに機能としては、フィルムではなく印画紙に類するものですから、印画紙の場合がそうであるように、光に対する感度が撮影用乾板よりも低く設定されているのかもしれません。
さらに、製品としてのガラススライドとガラス乾板の最大の違いは、現像・定着後に、画像層を保護するため、同大のガラス板でカバーをかける、つまりガラスで画像層をサンドイッチしてある点です。
密着したガラスが、外界の環境変化のバッファーとなるため、元の現像・定着処理に不備がない限り、スライド上の画像の保存性はきわめて高い…というようなことが、以下のリンク先には書かれています。まあ、リンク先は公的機関ですから、温度・湿度にも気を使って管理していますよ、みたいなことも書いてありますが、基本的にはガラスが割れないことだけ気をつければ、あとはあまり神経質にならなくてもいいのではないでしょうか。(100年単位で考えるとまた違ってくるかもしれませんが。)
■Preserving 20th Century Glass Cinema Slides
http://www.nfsa.gov.au/research/papers/2012/05/10/preserving-20th-century-glass-cinema-slides/
(以上、ネットを徘徊して得た情報を、知ったかぶりして書いているだけですので、事実誤認がありましたらお許しください。)
ガラススライドは、支持体であるガラスの表面に、感光剤を含むエマルジョン層が乗っているという点では、ガラス乾板と基本的に同じ構造のものだと思います。
ただし、スライドの製作は、オリジナルの乾板と密着させてコンタクトプリントすることが多く、要するに機能としては、フィルムではなく印画紙に類するものですから、印画紙の場合がそうであるように、光に対する感度が撮影用乾板よりも低く設定されているのかもしれません。
さらに、製品としてのガラススライドとガラス乾板の最大の違いは、現像・定着後に、画像層を保護するため、同大のガラス板でカバーをかける、つまりガラスで画像層をサンドイッチしてある点です。
密着したガラスが、外界の環境変化のバッファーとなるため、元の現像・定着処理に不備がない限り、スライド上の画像の保存性はきわめて高い…というようなことが、以下のリンク先には書かれています。まあ、リンク先は公的機関ですから、温度・湿度にも気を使って管理していますよ、みたいなことも書いてありますが、基本的にはガラスが割れないことだけ気をつければ、あとはあまり神経質にならなくてもいいのではないでしょうか。(100年単位で考えるとまた違ってくるかもしれませんが。)
■Preserving 20th Century Glass Cinema Slides
http://www.nfsa.gov.au/research/papers/2012/05/10/preserving-20th-century-glass-cinema-slides/
(以上、ネットを徘徊して得た情報を、知ったかぶりして書いているだけですので、事実誤認がありましたらお許しください。)
_ S.U ― 2013年03月10日 15時50分10秒
ぶっきらぼうな質問で失礼致しました。懇切なお答えをいただき恐縮です。両面をガラスで挟んでおけば安心ということですね。でも、そうなっていない状態で多くの原板を保管されているところで心配されているところもあるでしょう。
実は、私は、昔、遊びで撮影したガラス乾板写真を乾燥後まもなく剥離させてしまった想い出がトラウマになっています。今でも、乳剤がめくれてころころと丸まったのが目に浮かびます。その時は驚きましたが、あとで考えるとガラス面に塗布されたものは剥がれて当然、と思いなおしました。それ以後、他人様から古い乾板の話を聞くと、剥がれないかとつい質問してしまいます。
実は、私は、昔、遊びで撮影したガラス乾板写真を乾燥後まもなく剥離させてしまった想い出がトラウマになっています。今でも、乳剤がめくれてころころと丸まったのが目に浮かびます。その時は驚きましたが、あとで考えるとガラス面に塗布されたものは剥がれて当然、と思いなおしました。それ以後、他人様から古い乾板の話を聞くと、剥がれないかとつい質問してしまいます。
_ 玉青 ― 2013年03月11日 05時55分08秒
頂戴したコメントに触発されて、新たな記事を書かせていただきました。
毎度のことながら、どうもありがとうございます。
毎度のことながら、どうもありがとうございます。
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