二度あることは三度ある…いよいよ深まる日食絵葉書の謎2013年04月20日 07時28分00秒

継続は力なり。
しつこく天文古玩的な品を買い、しつこくブログを続けていると、いろいろ「発見」があるものです。まあ、あまり世間の役には立たない発見ですが。

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まずは、下の記事をお読みください。今から3年前の記事です。

日食絵葉書、解けた謎と残る謎
 http://mononoke.asablo.jp/blog/2010/07/02/5196979

日食をモチーフにした謎の絵ハガキを取り上げた内容で、上の記事自体、さらに4年前の記事をフォローしています。今回はさらにそのフォロー。(本当にしつこいですね。しかも今見たら、前回も「継続は力なり」とか書いていて、まったく成長がないというか、語彙が乏しいというか…)

(第1の絵葉書、ブリッジトン)

(第2の絵葉書、デトロイト)

さらに今回見つけた第3の絵葉書は、シカゴ生まれです。



前2者は未使用の絵葉書でしたが、今回は使用済みなので、ようやく発行年の手がかりが得られました。即ちスタンプによれば、この絵葉書は1914年4月に投函されています。当初想像したよりもだいぶ古いものでした。


では、シカゴで皆既日食が見られたのはいつかな?…と、前回もリンクを張ったNASAの日食地図(http://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEmap/SEmapNA/TSENorAm1901.gif)を参照したのですが、1914年はおろか、20世紀前半にシカゴで皆既日食が見られた事実はないようです。あれれ?

すると、この絵葉書は最初から日食とは無関係だったのか…?
ひょっとしたら、ここに描かれているような、日食と女性の取り合わせは、当時の人にとって自明な、何らかのジョークや仄めかしに関連しているのかも…?

例によって、事情をご存知の方からのご教示をお待ちします。

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一般的な話として、この手の絵葉書は「pennant postcard」と呼ばれることを、その後知りました。

検索した情報を切り張りすると、これは町や村の名前をペナント内に刷り込んだ、一種の「ご当地カード」で、第一次大戦の前あたり(1910年前後)にアメリカで特異的に流行ったものだそうです。中には、「felt pennant postcard」と言って、ペナントの形に切ったフェルトに地名をプリントし、それを厚紙に貼ったタイプもある由。

「ご当地カード」といっても、必ずしも各地のオリジナル・デザインではなく、多くの場合は、業者が用意した出来合いのデザインから適当なのを選んで発注をかけたそうで、この日食絵葉書のように、同じデザインのカードがあちこちにあるのはそのためです。
その機能、つまりどういう意図で、こういう絵葉書がやり取りされたのかは不明ですが、当時のアメリカでは、コミュニティ意識が非常に高揚していたのかもしれません(想像です)。

…というような歴史的背景を知ってみても、シカゴやデトロイトの衆が、いったいどんな思いを託して、こんな絵葉書を作ったのかは、依然謎。