鈍く黄色い光を放つ製図用具2013年09月06日 20時07分39秒

先日の大雨で非常配備に付き、日勤帯から引き続き夜通し勤務。その後も休みなしに通常勤務が続き、さすがに草臥れました(ちょっと熱っぽい気もします)。もう齢も齢ですし、無理がききまません。

…というような泣き言は、文字に書いたりせずに、そっと月にでも呟けばいいのですが、今宵はあいにくの新月で、呟く相手もいないという味気なさ。

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さて、製図用具の話の続きです。

この前は独式、英式という話をしましたが、その間に挟まれたフランスはどうか?といえば、フランスもなかなか製図用具の生産では頑張っていたようです。ただし、フランスが誇ったのは、その質よりも主に量。

こう書くとフランスの人は怒るかもしれませんが、フランス製の製図セットというのは、安価な品の代名詞で、主に学生向きの簡易な品の供給元になっていた…という話を聞いたことがあります。


上の写真がその実例。

見かけは古めかしいのですが、売り手によれば1930年代の品だそうです。古い時代の製図用具はたいてい真鍮製でしたが、20世紀ともなれば、真鍮のような柔らかい素材は、製図用具には不向きとして避けられるようになり、独式も、英式も、みなピカピカと白銀に輝くことになりました。でも、価格を抑えるためか、このフランス製の製図セットは、依然として鈍く黄色い光を放っています。


今では、むしろその「アンティーク アンティークした表情」が魅力的ですが、機能美という点では、やはり英独に軍配を上げざるを得ないでしょう。


上はおまけ写真。製図セットの外箱の掛け金です。
なんでも西洋骨董に通じた人は、この掛け金の形状だけから、どこの国の品か見分けがつくと言いますが、真偽のほどは定かではありません。