天体議会の世界…ペンシルロケット ― 2013年09月09日 19時53分43秒
エアコンの世話になる頻度も減って、夕方ともなれば、しきりにコオロギが鳴きます。
暑い暑いと言いながら、やっぱり秋ですね。空の色もこまやかになってきました。
毎年のことですが、今年はいろいろあってすっかり心が弱くなっているので、何だか無性に寂しいです。己の人生の秋をそこに重ねているのかもしれません。
暑い暑いと言いながら、やっぱり秋ですね。空の色もこまやかになってきました。
毎年のことですが、今年はいろいろあってすっかり心が弱くなっているので、何だか無性に寂しいです。己の人生の秋をそこに重ねているのかもしれません。
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このまま、秋以降も天体議会ネタでいいのかなあ…と迷いつつ、でも作品の中では、ちょうど今からが物語の始まる季節です。
話がどこまで進んだかと云えば、水蓮が銅貨たちに天体議会の招集をかける場面まで来たところでした。
集合時刻の午後5時まで、水蓮と銅貨は家に戻らず、いつものように鉱石倶楽部で時間をつぶすことに決めます。今日の気象予報に注意を払ったり、鉱物の品定めをしたり、水蓮が新たに手に入れた例の最新式の製図ペンの話題や、先日出会った謎の美少年に関する噂話をしたりしているうちに、ふと水蓮が思いついたように言いました。
「銅貨、はやめに集合場所へ行こう。ちょっと面白いものを手に入れたんだ。」
「何さ、」
「鉛筆〔ペンシル〕ロケットだよ。固形燃料〔キューブ〕もある。打ちあげてみようぜ。」(p.50)
二人は鉱石倶楽部を出ると、今日の「議会」の会場である、波止場近くの海洋気象台の屋上に向かいました。水蓮は、ここから遠くの山並みに向けて、手製の小型ロケットを飛ばそうというのです。屋上には飛行船の降下位置を示すサークルが鮮やかに描かれており、
水蓮はその円の中に腰をおろし、鞄を開けて組み立て式のロケットを取り出しているところだった。アルミニウム青銅の美しい黄金〔きん〕いろをした機体は、模型店で手に入る二段式ロケットを改良したものだが、水蓮があらかじめ云っていたように、固形燃料〔キューブ〕を使って実際に打ち上げることができる。本体部や尾翼の形など、微に入り細を穿つ、といった凝りようで驚くほど精巧だった。銅貨は水蓮の器用な手さばきを充分承知していたものの、感心して覗きこんでいた。(p.56)
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私はペットボトルロケットぐらいしか飛ばした経験がないので、モデルロケットの世界がどんなものかは、想像するしかありません。ウィキペディアの該当ページや、「日本モデルロケット協会」という団体のサイトを見ると、なかなか奥深い世界のようです。
■Wikipedia :モデルロケット
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88
水蓮のロケットは、アルミニウム青銅製のボディを持った2段式ロケットで、さらに彼が独自にカスタマイズを施したもの…という設定ですが、現在市販されているモデルロケットに、類似の品があるのかどうか。何となくなさそうな気がしますが、その辺は「未来の話だから…」とあっさり片づけて、細かい考証は抜きに、いつものようにイメージ先行でモノを探してみます。
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もっとも、『天体議会』のハードカバー版には、作者・長野氏自身のイラストが載っていて、ロケットを肩に担いでいる少年(水蓮か)が描かれています。
これを見る限り、現行のモデルロケットとそう違わないようにも思えますが、どうも私のイメージでいうと、「ペンシルロケット」というぐらいですから、もっと小さなロケットを想像します。それに、当然ピカピカと金属光沢を放っていてほしい。
そこで、こんなロケットはどうでしょう。黄金ではありませんが、白銀のスマートなロケットです。旧ソ連製で、全長は約32センチ。
噴射口からカプセル状の燃料を装填し、点火する仕組みです。
点火剤には、キャンプでもおなじみのキューブ型固形燃料である「エスビット」が使用できます。
(この項つづく)
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