デンマークの秋景色2013年10月20日 14時31分22秒

冷え冷えとした雨の一日。
北国では雪の便りも聞かれる季節です。
今日は部屋の中でも上着が欲しいと思いました。

   ★

私の手元には、まったく読めない本が少なからずあります。
もっぱら造本や挿絵の美しさに惹かれて買った本たちですが、こういう購書の愉しみは紙の本ならではのものでしょう。


上もその1冊。デンマーク語で書かれた、ナチュラリスト向けのフィールドガイド。

Poul Holm Joensen(文)、Claus Bering(画)
 Årstiderne-3:Efteraret(叢書『四季』、第3巻「秋」)
 Gyldendal 社、1967

この美しい本は、以前、胡蝶書坊さん(http://mononoke.asablo.jp/blog/2011/01/05/)にその存在を教えていただきました。

こうして開いても、言葉はまったく分かりません。が、分からないながらも1頁ずつめくっていると、その繊細な水彩の自然描写に思わず引き込まれます。


秋の浜辺。


かつて生きていたものたち。


ここにもひっそりとした「死」が。



留まる鳥と旅立つ鳥。



つなぐ命。



花ならぬ花。


そして冬へ。

   ★

冷めたお茶を入れ替えて窓の外に目をやれば、黄ばんだ木々の葉が雨に打たれ、うなだれているのが見えます。
日本の秋とデンマークの秋は、いろいろ違いもあるのでしょうが、命の営みという点では大いに共通するものがあると、ぼんやり思いました。