Don’t be curious.2013年12月07日 08時12分06秒

例の赤子は2013年12月6日午後11時20分(推定)、誕生しました。
定めの星や如何。

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一冊の古びた本。


Index Librorum Prohibitorum(インデックス・リブロルム・プロヒビトルム)。
日本語でいう禁書目録。バチカンによる「有害図書」認定リストです。16世紀に生まれ、1966年に廃止されるまで、400年余りの長きにわたって版を重ねたロングセラー。

禁書目録と云うのは、時代とともに新たな本が付け加わって、どんどん長大化するのかと思ったら、どうもそうでもなくて、加わる本があれば除外される本もあるようです。

たとえば、手元にあるのは同書の歴史の中ではごく新しい1904年版ですが、コペルニクスや、ケプラーや、ガリレオは既に目録から消えています。本当は彼らの名前を見たかったのですが、すでにバチカン自体が天文台を所有し、天文研究を進めていたのですから、それも当然でしょう。(1904年版のタイトルページに登場する、教皇レオ13世は開明派で、彼の時代に天文台と教皇の関係が特に深まったと言われます。)

(各記載の末尾の数字は刊行年ではなく、禁書宣告された年を意味します)

それでも依然、デカルトやカントは禁書でしたし、天文学者だとラランド(1732-1807)の著作が2冊、『イタリア紀行』と『婦人のための天文学』というのがやり玉に挙がっています(彼は無神論者でした)。


気になるチャールズ・ダーウィンはなぜか載っていなくて、代わりにお祖父さんのエラズマス・ダーウィン(1731-1802)の著、『Zoonomia; or the Laws of Organic Life』が禁書になっています。この本もまた進化の概念を説いたものだそうですが、どうも選定の基準がよく分かりません。

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選定の基準がよく分からんという点では、例の赤ん坊もそうなんですが、それにしても出産に立ち会った人たちは、せめて統制対象を明示的にインデックス化する気はなかったんでしょうかね。

法案に賛成する側の産経も、当然「『知る権利』や報道の自由を守るためには、政府による恣意的な特定秘密の指定を避ける仕組みが重要」だと主張していますが(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131207/plc13120703080005-n1.htm)、この「恣意」の2文字こそ最も危惧される点ではあります。