理科の小部屋に獣は唸り、電気はスパークする2013年12月19日 20時35分58秒

antique Salonさんで購入した博物学の欠片を一通り眺めたので、この辺で久しぶりにフランスの理科室絵葉書でも見てみます。


あきれるほどモノのあふれた理科室(むしろ理科準備室か)。
パリ南西部、イニーの町にあるエコール・サン・ニコラ…というのは、19世紀後半に創設されたカトリック系の私立学校で、画像はその校内に設けられた「物理学・博物学の部屋」(Cabinet de Physique et Histoire Naturelle)を写した絵葉書(1910年頃)。

物理学と博物学という、かなり異質のモノたちが混在している珍しい例です。当時のフランスの絵葉書を見ると、大抵どちらか一方の分野の器具なり標本なりが集められているのが普通ですが、ここは先生の趣味なのか、ちょっと異様な雰囲気になっています。でも、日本的な理科室のムードにはいっそう近いかもしれず、その点でも特異です。

それにしても、ハンティング・トロフィー(猟獣の頭だけの剥製)は日本の理科室にはなじまないでしょうから、これもお国ぶりなのでしょう。