螺旋蒐集(1)2013年12月28日 06時51分13秒

仕事納めが、すっきり納まらずにバタバタしています。
年賀状もまだ書けていませんし、ひょっとしたら書けないかもしれません。
年末の無聊を慰めるためと称して買った本たちも、手つかずのまま積んであります。
そんな年の瀬ではありますが、一服の涼を求めてブログの更新。

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時計をちょっと戻して12月24日の夕刻。
私のもとにサンタさんから1個のプレゼントが届きました。今年のサンタさんは赤い車に乗って、巧妙に郵便局の人に化けていたので、すぐには分かりませんでしたが、そのタイミングと物腰から、私は彼がサンタであることを直感しました。

プレゼントは細長い筒に入っており、インド郵便のラベルが貼られています。差出地はアラーハーバード。すなわち、ヴェーダの時代に遡るインド第2の古都にして、ガンジス川、ヤムナー川、サラスヴァティー川が合流する聖地、そしてブラフマンが世界を創造した後、最初の生贄を捧げたと言われる場所です。

肝心のその中身は?…それをお話するには、さらに時をさかのぼる必要があります。

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今年の10月28日の記事(http://mononoke.asablo.jp/blog/2013/10/28/7025966)で、私は貝殻の中に広がる螺旋世界について書き、関連して夢枕獏氏の『上弦の月を喰べる獅子』に言及しました。

(ハヤカワ文庫版『上弦の月を喰べる獅子』2011/単行本初版は1989)

その時点ではまだ読んでいなかったのですが、その後文庫版を読むに及び、改めて螺旋という存在に心が向きました。ここで獏氏の作品そのものを論じることは難しいですが、螺旋をテーマにした観念小説(とあえて呼びます)に、これだけ長尺を回したことだけでも、素朴な驚きを感じます。螺旋軽んずべからず。

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作中に出てくる「螺旋蒐集家」ではありませんが、私も螺旋のイメージを求めて新たに買ったものがあるので、それをここに貼っておきます。件のインド伝来の品はその最後に。

(とりあえず前口上だけで以下につづく)