螺旋蒐集(4)…さらにミクロ・スパイラル ― 2013年12月31日 08時44分26秒
昨日のヌムリテスと同時に買ったプレパラート。
楊枝の先に隠れるほどの極小の螺旋。頭足類(オウムガイ、アンモナイト)、有孔虫と見てきて、いよいよホンモノの巻貝(腹足類)の登場です。
…と思いきや、やっぱりこれも貝ではなくて、多毛類、すなわちゴカイの仲間の棲管だそうです。螺旋状の殻は巻貝の専売特許ではなく、いろいろな生物に愛されているのだなあと改めて感じます。
海辺でこんなもの↓を目にされた方も多いでしょう。これも管棲多毛類が作り出した石灰質の管。管の主はこの先端から房状の触手を広げ、海中の養分を濾し取って生活しています。海の生物に親しい方には、あるいはゴカイよりもケヤリムシの仲間といった方が分かりやすいかもしれませんね。
(家族と行った海の思い出。棲管群の左右長は約7cm。)
こうした素麺状の棲管を作るカンザシゴカイ科に対して、くるっと巻いた棲管を作る方はウズマキゴカイ科に分類されます。
(この渦巻たちは、イギリス南部、ドーセットの浜辺に打ち上げられた海藻に固着していたようです。)
プレパラートのラベルに書かれた学名は Spirorbis spirorbis。
属名も種小名も、スパイラルを意味する語が、2つも並んでいます。さらにウズマキゴカイ科の科名は Spirorbidae なので、本当にぐるんぐるん回りっぱなしの感じです。その身は小なりといえど、螺旋蒐集の徒にとっては、決して見逃せない相手でしょう。
(この項つづく)
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