螺旋蒐集(5)…透明螺旋体2014年01月02日 10時48分20秒

先ほどまで黒雲が空を覆っていました。
北の地方では大雪に警戒するよう、ニュースは伝えています。
せめて三が日ぐらい…と思いますが、自然には自然のリズムがあるのでしょう。

   ★

ふと、ガラスでできた巻貝があったらいいなと思いました。殻を打ち欠くような無粋な真似をしなくても、その螺旋全体を見通せる透き通った貝が。
この世のどこかにきっとあるはず…と思って探したら、ありました。



透明な貝と、海の記憶を宿したパープルの貝。
(最長の差し渡しは、それぞれ約8cmと5cm)

これらは単なるオブジェではなく、ある実用的な目的のために作られました。


それは飼育ヤドカリ用の「擬貝」です。
私は今回初めて知りましたが、数年前、こういう↑画像がネット上で話題になったことがあるそうです。その秘めた私生活が丸見えとなり、しかも普通の貝より重いという、ヤドカリにとってはいくぶん迷惑な話なのですが、趣向としては面白く、単に手元に置いて眺めるだけでも愉しいひと品。

(Double Spirals)

以前、宇宙を覆いつくす巨大な螺旋のイメージについて語りましたが、こんなふうに「2つの螺旋」を並べてみると、ちょっとそれらしく感じられます。(背景は、リック天文台が出した写真集『Publications of the Lick Observatory Vol.8: Nebulae and Clusters』(1908)より、しし座の渦巻き銀河M65)

   ★

このガラスの貝は、米国バーモント州のRobert DuGrenier さんが手作りしています。

■Robert DuGrenier Associates, Inc.
 http://www.tafthill.com/

コメント

_ ねこぱんち ― 2014年01月02日 11時43分54秒

新年おめでとうございます。
最近はなかなかコメントせずじまいでしたが、いつも覗いてはおります。
螺旋と言えばシャンボール城のニ重らせん階段が思い出されます。
かのレオナルド師が設計に携わったという話が巷間には伝わってますね。
奇しくも人間の設計も同じくニ重螺旋にのっとっているのですよね。
一番コンパクトだからかな。

_ 玉青 ― 2014年01月03日 10時05分37秒

む、二重らせん…。ここで私の表情にかすかな動揺の色が走ったことを、ねこぱんちさんの慧眼は見逃さないでしょう。その理由はまもなく明らかとなるはずです。
シャンボール城の豪奢な装いは望むべくもありませんが、天文古玩も今後あちこちに隠し階段や秘密の通路を張り巡らし、その奥に驚異の部屋をしつらえたいと思います。どうぞ深夜にひっそりと訪のうて下さい。

_ koko ― 2014年01月14日 22時16分00秒

うわああ素敵ですね〜
お久しぶりですけれど、時々のぞいています。
いつもすてきな記事を楽しみにしています。
クリックとワトソンの最初に書いた二重螺旋のスケッチ、
美術館で見たことがあります。
シンプルで、でもとても美しかったです

_ 玉青 ― 2014年01月15日 00時22分03秒

ご無沙汰しております。
足をお運びいただき、ありがとうございます。
kokoさんはますますご活躍の様子で、ご同慶の至りです。
当方は記事でもチラッと書きましたが、あたかも螺旋の如く、話題が同じところをグルグル回っていて、こんなんでいいのかなあ…と不安に駆られることもありますが、時にこのような嬉しいお言葉を頂戴することもあるので、もうしばらく続けようと思います。

それにしても、クリックとワトソンの二重螺旋のスケッチって、美術館に展示されていたんですね。アートとサイエンスの関わりを深く考えさせられます。そして、その二重螺旋の「作品」である人間が、二重螺旋に美を見出すというのも、これまた不思議な二重螺旋だと感じます。

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