賢治かるた2014年01月04日 12時30分27秒

“正月よ、永遠に続けよかし”の願いも空しく、あっという間に三が日が終わってしまいました。せめて残り二日の休みを、精一杯ダラダラ過ごそうと思います。

この間、特に正月らしい記事もなかったですが、今朝の新聞を読んでいたら、カルタの記事の中に「宮澤賢治木版歌留多」(伊藤卓美制作、奥野かるた店発売)の名前がチラッと出て来たので、正月の名残に載せておきます。


賢治の童話や詩から、重複のないように50作品を選び、その一節と木版画を組み合わせたものです。最初、『宮澤賢治書票歌留多』というタイトルで、書票連作として制作され、次いで書票表示(「○○蔵書」等の文字)を削ったエディションが出たあと(以上は作者のオリジナル限定版)、さらにカラー印刷でそれを再現したのが本品。気軽に遊べるよう、裏貼り仕上げを省いた普及版も出ています。


多彩な作品が取り上げられている中、星にちなむ作品と、言葉遣いがことに美しい2著 ― 賢治の生前に出たのは、この2冊だけです ― の序文を選り出してみます(表記は読み札のまま)。


序・春と修羅
「わたくしという現象は 仮定された 有機交流電燈の ひとつの青い照明です。」
序文・注文の多い料理店
「わたし達は、氷砂糖を欲しい位持たないでも、きれいにすきとほった風をたべ」


双子の星
「天の川の西の岸にすぎなの胞子ほどの 小さな二つの星が見えます。」
星めぐりの歌
「赤い目玉のサソリ 広げた鷲のつばさ」
水仙月の四日
「カシオピイア もう水仙が咲き出すぞ おまえのガラスの水車(みずぐるま)」


よだかの星
「そして自分の体がいま燐の火のやうな 青い美しい光になって、 しづかに燃えてゐるのを見ました。」
銀河鉄道の夜
「では、みなさんは、さういふふうに川だと云はれたり」


   ★

こうして賢治のストイックな姿勢や詩魂に触れると、己の怠惰を愧じ入ります。
でも、これはこれで良いのです。民が平和な日々を過ごすことを、賢治も否定はしないでしょうから。