星座を作ろう2014年01月20日 22時05分37秒

本といえば、これまた昨年の暮れに、児童向けの天文古書を何冊かまとめて購入しました。そのうちの1冊がこれです。

(表紙)

(本を開いたところ)

■John Martin & Roy Youmans,
 How to Make Sky Pictures.
 Greenberg Publishers (NY), 1935
 28.5 x 22 cm

A4を少し寸詰まりにした判型で、30頁ほどの可愛らしい絵本です。
ここでいう「Sky picture」とは星座のこと。要は星座の本なんですが、単なる星座ガイドではなしに、星座に親しむ工夫として、自分で星座絵を作ってみようと年少の読者に誘いかけています。といっても、その方法はごく単純。


セロハン袋に入った金色の星。これを星座絵の上に貼って、星座を作ってごらんなさいというわけです。


星座絵作製中の少年。


燦然と星が輝くうさぎ座。


オリオンも金のベルトを締めて颯爽としています。
…と言いたいところですが、うさぎもオリオンも、何だか星がスカスカで星座の体を成していません。それもそのはず、オリオン座の隣のおうし座を見ると…


アルデバランも何も無視して、プレアデスだけにびっしり星を貼っています。
こういう無茶をするので、途中で「星勘定」が合わなくなって、彼の星座作りは不本意な結果に終わったようです。


本の最終ページ。あれ、てっきり男の子だと思ったんですが、1936年にAliene McKenzie 嬢からこの本をプレゼントされたのは、 Jean Davis Brownという、女の子だったみたいです。まあ、女の子だから作業が丁寧とは限りませんが、でも当時の物差しでいうと、ずいぶん磊落な(両親をハラハラさせるような)女の子だったんじゃないでしょうか。
 
   ★

1930年代は世界恐慌に翻弄された10年ですが、子どもの世界に目を向ければ、児童向けの出版が隆盛をきわめた頃に当たり、1935年はミッキー・マウスが初めてカラー作品に登場した年だそうです。この本にも、確かにそういう時代の匂いを感じます。