驚異の部屋的な何か2014年01月25日 08時09分31秒

前回の記事で、“理科室風書斎」や「ひとり驚異の部屋」は、もはやほぼ完成した”と書きました。もちろんそれは言葉のアヤで、東大のインターメディアテクや、欧州の名だたるヴンダーカンマーのような空間が、我が家にあるわけではありません。

我が家の場合、スペースの問題以外に、資力の制約がきわめて大きく、その範囲では最善(変な最善ですが)を尽くしたし、これでもう上限に近いという、そういう意味での「完成」です。王侯貴族には王侯貴族の、庶民には庶民の驚異の部屋が、自ずとあるわけです。

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さて、そういう庶民的な部屋の一角に、これまでブログには登場しなかったモノが置かれています。たとえば、この蝙蝠の剥製。


嫌いな人は嫌いだろうと思います。(だから意図的に露出を避けていました。)

家人はわりと私のヴンダー趣味を理解(我慢)してくれている方だと思いますが、それでも評判が悪いのは一連の剥製で、「喘息に悪い」と言われます。たしかにそんな気もするので、申し訳ないと思います。


私だってこんな風にぬっと出られたら、やっぱりいい気持ちはしません。
でも、古びた理科室とか、驚異の部屋の風情を求めるとなると、こういう帰結になるのかなあ…とも思います。


ラベルに記された文字は「オホカハホリ」、すなわち大蝙蝠の意。
学名はPteropus pselaphonで、和名はオガサワラオオコウモリです。

明治時代に創設された、東京の某女学校(現在は女子高)の建て替えに伴い放出された理科室備品の一つで、明治とまではいかずとも、戦前の古い剥製ですから、気持ち悪かろうが何だろうが、希少なものには違いありません。そしてインターメディアテクと同じ空気が、そこはかとなく漂っているような気がします。

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