虹のかけら(3)…七色講演会(前編) ― 2014年02月10日 21時48分01秒
虹を描いた19世紀の幻灯用の種板、すなわちガラス・スライドです。
木枠の外寸は16.5×10cm、中央の「窓」は約8cm四方で、そこにガラスをはめ込み、手彩色で絵を描いています。
こうしたスライド類は当時非常に人気を博したので、今でもわりと数が残っていますが、その出来は精粗さまざま。中でもこの虹のスライドは優品の部類だと思います。
作ったのは、当時の代表的なスライドメーカーのニュートン社。
木枠にがっちり押された刻印が頼もしい。
科学機器メーカーとしての同社のことは、以前もどこかで書いたと思いますが、今調べたら、以下のページにまとまった歴史が綴られていました。(Newton の項までスクロールしてください)。
■Early Photography > Company Details (Nで始まる会社一覧)
http://www.earlyphotography.co.uk/site/companies3.html#N
それによると、同社は1704年創業を謳う、まことに古い会社で、まあそれは伝説に類するものかもしれませんが、少なくとも18世紀の後半には手広く商売を営んでいたようです。1830年代には営業品目に写真用機材が加わり、さらに幻灯用品の供給元として大いに賑わいました。上の種板は、同社が「Newton & Co.」の名称で、ロンドンのフリート街に店を構えていた1860年前後もので、日本ではまだ江戸時代ですから、やっぱり相当古いですね。
ニュートン社は20世紀に入っても存続していましたが、1940年代後半に他社の傘下に入り、この伝統を誇る老舗も、歴史の中にひっそりと消えていきました。
(↑電灯の明かりのせいで、色調が上とちょっと違って見えます。)
さて、そのスライドの内容ですが、木枠の側面を見ると、B15、16、18という通し番号があって、それぞれ「Scene 52 Rainbow」、「Scene 53 Rainbow」、「Scene 55 Double Rainbow」と書かれています。
この品は3枚セットで売られていましたが、本当はもっとたくさんの絵柄があり、さらに虹ばかりでなく、他の気象現象も含む浩瀚なレクチャーの一部を構成していたように思います。
その全貌は不明ですが、とりあえず残された3枚から、講演の内容を想像してみることにします。
さて、そのスライドの内容ですが、木枠の側面を見ると、B15、16、18という通し番号があって、それぞれ「Scene 52 Rainbow」、「Scene 53 Rainbow」、「Scene 55 Double Rainbow」と書かれています。
この品は3枚セットで売られていましたが、本当はもっとたくさんの絵柄があり、さらに虹ばかりでなく、他の気象現象も含む浩瀚なレクチャーの一部を構成していたように思います。
その全貌は不明ですが、とりあえず残された3枚から、講演の内容を想像してみることにします。
(この項つづく)
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