虹のかけら(6)…群れなす虹 ― 2014年02月13日 21時02分59秒
話をホンモノの虹に戻します。
とはいえ、これはホンモノの虹といえるのかどうか…?
とはいえ、これはホンモノの虹といえるのかどうか…?
1849年にロンドンで出た『天空の美(The Beauty of the Heavens)』(第4版)の口絵。空に虹が林立している、なんともすさまじい光景です。もちろんこれが実景のはずはないので、いくつかの印象的な虹を、1枚の絵に合成したものじゃないでしょうか。
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この本は副題を「宇宙における天文現象図示。104の光景に見る、天文学に関する分かりやすい講演とその絵解き」といいます。さまざまな天象を、手彩色の美しい砂目石版で絵解きした愛らしい本。
この本は将来「美しい天文古書の世界」を紹介する際に、もっと詳しくご紹介できればと思います(それだけの価値のある本です)。
著者のCharles F. Bluntは、タイトルページによれば、「天文学と自然哲学〔=科学の意〕の講演家にして、『望遠鏡の驚異』、『天文基礎講座』ほか著書多数」とあって、専門の学者というよりは、一般向けの著述・講演で身を立てていた人でしょう。きっとスライド講演を行う弁士でもあったと思います。
全巻の最後も虹の絵で締めくくっているところを見ると、著者はよほどの虹好きと見えます。
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