虹のかけら(6)…群れなす虹 ― 2014年02月13日 21時02分59秒
話をホンモノの虹に戻します。
とはいえ、これはホンモノの虹といえるのかどうか…?
とはいえ、これはホンモノの虹といえるのかどうか…?
1849年にロンドンで出た『天空の美(The Beauty of the Heavens)』(第4版)の口絵。空に虹が林立している、なんともすさまじい光景です。もちろんこれが実景のはずはないので、いくつかの印象的な虹を、1枚の絵に合成したものじゃないでしょうか。
★
この本は副題を「宇宙における天文現象図示。104の光景に見る、天文学に関する分かりやすい講演とその絵解き」といいます。さまざまな天象を、手彩色の美しい砂目石版で絵解きした愛らしい本。
この本は将来「美しい天文古書の世界」を紹介する際に、もっと詳しくご紹介できればと思います(それだけの価値のある本です)。
著者のCharles F. Bluntは、タイトルページによれば、「天文学と自然哲学〔=科学の意〕の講演家にして、『望遠鏡の驚異』、『天文基礎講座』ほか著書多数」とあって、専門の学者というよりは、一般向けの著述・講演で身を立てていた人でしょう。きっとスライド講演を行う弁士でもあったと思います。
全巻の最後も虹の絵で締めくくっているところを見ると、著者はよほどの虹好きと見えます。
コメント
_ ヒゲキタ ― 2014年03月02日 12時34分29秒
http://blog.nsk.ne.jp/higekita/entry/179211.html 以前見た写真に3本の虹が出ているものがありました。元の写真はスペースウェザーから 図版はこの株虹を描いているような気がします。
_ 玉青 ― 2014年03月02日 16時50分32秒
どひゃー、3本虹って実在するんですね!
これは…と思い、本書の虹に関する叙述を今回初めて(おや?)読んでみました。すると、この挿絵に関しては、同じ地点で虹を目撃しても、太陽の位置によって見え方は異なることを説明するための図で、確かに実景を表現したものではなかったのですが、まこと事実は小説よりも奇なり。この写真を著者ブラントに見せたら、いたく感動して本文を書き換えたことは必定でしょう。それにしても、水面に反射した太陽が虹を生み出すとは盲点でした。貴重な写真をどうもありがとうございました。<(_ _)>
これは…と思い、本書の虹に関する叙述を今回初めて(おや?)読んでみました。すると、この挿絵に関しては、同じ地点で虹を目撃しても、太陽の位置によって見え方は異なることを説明するための図で、確かに実景を表現したものではなかったのですが、まこと事実は小説よりも奇なり。この写真を著者ブラントに見せたら、いたく感動して本文を書き換えたことは必定でしょう。それにしても、水面に反射した太陽が虹を生み出すとは盲点でした。貴重な写真をどうもありがとうございました。<(_ _)>
_ みず ― 2015年08月10日 13時16分43秒
3本虹の絵の作者は誰ですか?
_ 玉青 ― 2015年08月10日 20時27分38秒
みずさん、こんにちは。
お尋ねの件ですが、本書のタイトルページを見たら、「from original drawings, paintings [ … ] by Charles F. Blunt」云々と書かれていました。したがって、3本虹も含め、本書の挿絵はすべて著者のブラント自身の手になるもののようです。
お尋ねの件ですが、本書のタイトルページを見たら、「from original drawings, paintings [ … ] by Charles F. Blunt」云々と書かれていました。したがって、3本虹も含め、本書の挿絵はすべて著者のブラント自身の手になるもののようです。
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