何とてかかる憂き目をば見るべき2014年02月22日 14時30分48秒


(なぜかパリにある「シェークスピア古書店」。 出典:http://sun-surfer.com/shakespeare-and-co-antiquarian-bookshop-paris-france-7707.html


ある博物学関係の古書を買おうと思いました。
で、普通に古書検索サイトで見つけたものを、普通に注文しました。
すると今朝がた、そのペンシルバニアの古書店からメールが来ていました。

「この本は重量があるので、送料の追加が必要です。古書検索サイトから追加承認をお願いします。その場合は発送が3月7日以降になります。しかし、もしPayPalで支払っていただければ、週明けすぐにも発送します。」

え?いったいなぜ?…と、首をひねりつつ先を読むと、正直な業者はその理由も書き添えていました。

「こんな状況を残念に思います。しかし、私は今お金がないのです。商売は低調の上、この冬の天候はずっと悪いままです。」「問題の根本は、A検索サイトの支払いが遅いことなのです。」

こんなに明け透けに言われたのは初めてです。
正直面喰いましたし、本当に注文しても大丈夫なのかと思いましたが、人をだます気ならば、もっと上手に嘘をつくと思い、業者の言うとおりにしました(もちろんその前にいろいろ交渉はしました)。

「ありがとう。あなたは理解のある方です。それにしても、私は13年間本を売ってきましたが、こんな理由でお客さんに無理を言ったことはかつてありません。当地の経済は何と恐ろしい状態にあることでしょう。」

いったい古書業界はどんなことになってしまうのか、こんな瑣末なエピソードからも、その苦境が如実に感じられます。(例の店主氏が単に商売をしくじっただけという可能性もありますが、一般論として古書の世界が大変であるのは事実でしょう。)