神秘の星空2014年04月12日 19時53分48秒

手持ちの古いプラネタリウム絵葉書から。


カリフォルニアのサンノゼにある「薔薇十字プラネタリウム」。
見るからに怪しげな外観ですが、これでも(と言うと失礼ですが)全米で5番目にできた由緒あるプラネタリウムだそうです。

さて、気になるその名称。
説明を聞いても今ひとつよく分からないんですが、何でも薔薇十字団の流れを汲む人(Harvey Spencer Lewis, 1883-1939)が、神秘学に関わる文物を古代エジプトに求め、それらを展観する場として1920年代に開設されたのが「薔薇十字エジプト博物館」で、その付属施設として作られたのが、このプラネタリウムらしいです。

公式サイト Rosicrucian Egyptian Museum & Planetarium
 http://www.egyptianmuseum.org/

このプラネタリウムは今も健在。
写真で見ると、丸屋根は鮮やかなグリーンをしています。

現行のプログラムは、星の一生や宇宙の進化、太陽の素顔などをドラマチックな画像で見せるものらしいですが、以前はどうだったんでしょうね。
神秘主義的な人は、得てして最新の科学成果を切り張りするのが好きなので、当時から意外に「まとも」な、でもそこに一寸奇妙なテイストがまぶされた類のものだったのかなあ…とか、いろいろ想像が浮かびます。

コメント

_ S.U ― 2014年04月13日 05時53分44秒

薔薇十字団と星と聞いて思い出すのは、占星術師だったジョン・ディーの名前です。私は、ほとんど名前しか知らず、たまに調べてみても、真偽織り交ぜたようなことが書いてあってさっぱりわかりません。(今回、 ”Rosicrucianism”のWikipedia記事(英語版)に"John Dee"が出て来るのを見つけましたが、これまたよくわかりません) もし、天文との関係でご存じの事があれば、またの折々の機会でもよろしいのでご教示をお願いいたします。

_ 玉青 ― 2014年04月13日 10時34分39秒

ジョン・ディーはいかにも山師的な人物ですねえ。。。
彼はルドルフ2世の宮廷に出入りしていたので、ティコ・ブラーエやケプラーとも顔見知りだったのかなと思いましたが、今見たら年代的にずれていて、後者が宮廷に招かれたのはディーの帰国後のようです。奇人たちの邂逅がなくて一寸残念。

薔薇十字団と天文の関係といえば、ニュートンも薔薇十字団会員だったと囁かれていますね。そしてあの人も、この人もそうだと。その始原は古代エジプトやインドに遡り、時の権力者に何度も弾圧されながら、今も本部が〇〇にあって、限られた人だけがその至高の知の世界に参入することを許されているらしい…。

こういう話は後からどんどん尾ひれが付いて拡大する傾向にあり、その信奉者の信念を変えるのはなかなか難しそうです。そのたくましい成長力と訂正不能性において、病者の妄想体系と類似するものがあります。

薔薇十字団にかかると、たとえばありふれた太陽系の図も「霊性」とか、「三位一体」とか、「新エルサレム」とか、占星術と錬金術を突き交ぜた、奇態なカバラ的解釈一辺倒になってしまい、常人には全く理解不能ですが、「分からないものを有り難がる」人も少なくないので、常に一定のファンが絶えないのでしょう。

(…とムキになって悪態をつくのはかえって怪しい、一種のカモフラージュではないか、アイツは実は薔薇十字団に関わっているに違いない…と思われたりしかねないので、この件はここまでにしておきましょう。)

_ S.U ― 2014年04月13日 12時59分25秒

ジョン・ディーと薔薇十字団と天文の関係について、詳しくご教示いただきましてありがとうございました。

 何度も読み返させていただき想像をたくましくしてみましたが、やはり情報が発散するばかりで要領を得ず、最低限確かと思える基礎知識すら得ることができませんでした(笑)。

 得心のいかないことばかりですが、ここで食い下がると、こいつも怪しい、組織の秘法を暴こうとしているのではないか・・・と痛くもない腹を探られかねないので、私もこのくらいにしておきたいと思います(笑)。

_ 玉青 ― 2014年04月15日 06時42分07秒

あはは、そうですね。
なかなか剣呑な相手ですから、敬して遠ざけるに如くはないでしょう。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック