雨天に青い光を求めて ― 2014年06月05日 23時08分49秒
日本の多くの地方が梅雨入り。
もともと雨は嫌いじゃありません。雨の音を聴いたり、雨に濡れた風景をボンヤリ眺めるのは好きです。しかし、生活する上で鬱陶しさがないわけでもありません。
もともと雨は嫌いじゃありません。雨の音を聴いたり、雨に濡れた風景をボンヤリ眺めるのは好きです。しかし、生活する上で鬱陶しさがないわけでもありません。
今日、買う物があって東急ハンズに寄った際、小さなカミキリの標本に目が引き寄せられたのは、雨に対するそんな微妙な思いが作用していたのでしょう。
北海道産のハンノアオカミキリ。
決して稀な種類ではありませんし、北海道に固有というわけでもないのですが、この金属光沢をもった美しい青色の虫を見たとき、ふと梅雨のない北海道の空を感じたのでした。
決して稀な種類ではありませんし、北海道に固有というわけでもないのですが、この金属光沢をもった美しい青色の虫を見たとき、ふと梅雨のない北海道の空を感じたのでした。
そして、発売元のNature Science さんは札幌の教材会社だそうですから、この壜の中には、確かに北海道の空気が詰まっているのです。
コメント
_ S.U ― 2014年06月06日 07時20分33秒
_ 玉青 ― 2014年06月07日 07時03分52秒
うーん、産地と消費地でいうと、私のところはもろに消費地でしたので、どうもそういった記憶はありません。ただ、「最近の子供はカブトやクワガタをお金を出して買う」というニュースが、好ましからざることというニュアンスで報じられていたのは覚えていますが、自分では買った方の記憶もあまりなくて、たいていは田舎のおじさんの所で捕まえるとか、あるいは田舎のおじさんのところで捕まえたのを友達にもらうとかして手に入れていた気がします。
○付記1
「田舎のおじさん」というのが時代を反映していますね。当時は「田舎のおじさん」の存在を自明視していましたが、あれも地方と都市の人口移動とか、兄弟数の変化とか、いろんな要素が絡んで成立した、一種の社会的存在だったと今にして思います。
○付記2
あと運が良ければ近くの大きな公園でも自採できました。そういう公園はたいてい大名の下屋敷跡だったことを後に知りました。
○付記1
「田舎のおじさん」というのが時代を反映していますね。当時は「田舎のおじさん」の存在を自明視していましたが、あれも地方と都市の人口移動とか、兄弟数の変化とか、いろんな要素が絡んで成立した、一種の社会的存在だったと今にして思います。
○付記2
あと運が良ければ近くの大きな公園でも自採できました。そういう公園はたいてい大名の下屋敷跡だったことを後に知りました。
_ S.U ― 2014年06月07日 08時37分11秒
ご事情説明ありがとうございます。
そうですよね。消費地では買い取りはないですね。大げさに言えば、子ども相手の買い取り形態が日本に系統的にあったのか、それが少年の文化・思想にどういう影響を与えたのかという問題提起なのですが、他の土地のことはよくわからないです。
>付記1
いっぽう田舎では、「都会に行った次男坊」というのが自明でした(笑)
>付記2
私の経験では、カブトとクワガタの存在比が、住宅地にはカブトが多く、田舎の林ではクワガタが多かったです。それで、私の知る買い取り価格は、カブトが10円、水牛型のクワガタとメスのカブト(「ボウズ」と呼ばれた)が5円、ヘイタイと呼ばれたミヤマクワガタが3円くらいでした。カブトはレアだったので、だいたい自家消費されました。採集の「プロ」は、クワガタの多売で小遣いを稼いでいました。私は、「プロ」の友人に1~2度付き合ったくらいで、たぶん一生でせいぜい8円くらいしか儲けていないです。
それで、売り手市場ならカブトがより高価で、買い手市場ならクワガタがより高価になるはずです(逆かな? これは独自研究)。
そうですよね。消費地では買い取りはないですね。大げさに言えば、子ども相手の買い取り形態が日本に系統的にあったのか、それが少年の文化・思想にどういう影響を与えたのかという問題提起なのですが、他の土地のことはよくわからないです。
>付記1
いっぽう田舎では、「都会に行った次男坊」というのが自明でした(笑)
>付記2
私の経験では、カブトとクワガタの存在比が、住宅地にはカブトが多く、田舎の林ではクワガタが多かったです。それで、私の知る買い取り価格は、カブトが10円、水牛型のクワガタとメスのカブト(「ボウズ」と呼ばれた)が5円、ヘイタイと呼ばれたミヤマクワガタが3円くらいでした。カブトはレアだったので、だいたい自家消費されました。採集の「プロ」は、クワガタの多売で小遣いを稼いでいました。私は、「プロ」の友人に1~2度付き合ったくらいで、たぶん一生でせいぜい8円くらいしか儲けていないです。
それで、売り手市場ならカブトがより高価で、買い手市場ならクワガタがより高価になるはずです(逆かな? これは独自研究)。
_ 玉青 ― 2014年06月07日 09時11分30秒
カブトとクワガタの価格差が興味深いですね。
昔のカブトは今よりずっと偉かったのを思い出します(養殖はカブトの方が簡単にできるので、今は価格が完全に逆転しているのではないでしょうか)。
ときに、今ふと思い出しました。そういえば、虫の買取り、都会地でもありました。
それは蠅の買取りで、私自身が生で経験したわけではありませんが、昔(戦前?)衛生向上運動の一環として、お役所が蠅を1匹いくらで買い取ったという話を耳にしたことがあります。パパッと手元で検索したら、大正時代の大阪の例が下に紹介されていました。
http://members3.jcom.home.ne.jp/0718594901/6mail/201202.pdf
あまり気色のいい話でもありませんが…(^J^)
昔のカブトは今よりずっと偉かったのを思い出します(養殖はカブトの方が簡単にできるので、今は価格が完全に逆転しているのではないでしょうか)。
ときに、今ふと思い出しました。そういえば、虫の買取り、都会地でもありました。
それは蠅の買取りで、私自身が生で経験したわけではありませんが、昔(戦前?)衛生向上運動の一環として、お役所が蠅を1匹いくらで買い取ったという話を耳にしたことがあります。パパッと手元で検索したら、大正時代の大阪の例が下に紹介されていました。
http://members3.jcom.home.ne.jp/0718594901/6mail/201202.pdf
あまり気色のいい話でもありませんが…(^J^)
_ S.U ― 2014年06月07日 14時32分19秒
>蠅の買取り
そんなのがあったのですか。
でも、昭和になって「蠅取り紙」の普及以降は、蠅の死骸が簡単に大量に採集できるようになり、しかも、紙がネバリ着いてゴミ箱直行あるいは即刻焼却するしかなくなったので、役場での蠅死骸管理業務は成立しなくなったと想像します。
そんなのがあったのですか。
でも、昭和になって「蠅取り紙」の普及以降は、蠅の死骸が簡単に大量に採集できるようになり、しかも、紙がネバリ着いてゴミ箱直行あるいは即刻焼却するしかなくなったので、役場での蠅死骸管理業務は成立しなくなったと想像します。
_ 蛍以下 ― 2014年06月07日 14時32分54秒
私が幼少期を過ごした地方(愛媛県宇和島市)ではそのような買取りというのは聞いたことがありません(昭和50年代)。
採れるクワガタはミヤマが多く、水牛の方がレアだったんですが、他の地方の友人などに聞くとミヤマの方がレアだった言われることが多いです。
祖父に聞いたことがあるのですがモグラが作物を荒らすので買い取られてたそうです。
採れるクワガタはミヤマが多く、水牛の方がレアだったんですが、他の地方の友人などに聞くとミヤマの方がレアだった言われることが多いです。
祖父に聞いたことがあるのですがモグラが作物を荒らすので買い取られてたそうです。
_ S.U ― 2014年06月08日 10時21分53秒
蛍以下様、情報をありがとうございました。
子ども相手の虫の買い取りは、珍しい事例なのかもしれません。
ちなみに私の地方では、水牛よりミヤマのほうが多かったです。京都府北部の内陸で、気候的には寒冷なほうに属すると思いますが、夏は暑かったです。
モグラの買い取りもありましたか。害虫(害獣)の買い取りは意外と多いのですね。宇和島といえば、ニホンカワウソ探しはされましたか?
その他の実益を兼ねた昆虫採集として思い出したのは、一時期ですがカミキリムシの買い取りもあったように思います。玉青さんの標本のような色のきれいな物ではなくて黒白のとても大きい物でした。それから、イナゴの採集が、害虫駆除と食用を兼ねていて田んぼでポリ袋に集めましたが、売れたかどうかは記憶にありません。田舎ではわざわざ買って食べるほどのものでもないです。
子ども相手の虫の買い取りは、珍しい事例なのかもしれません。
ちなみに私の地方では、水牛よりミヤマのほうが多かったです。京都府北部の内陸で、気候的には寒冷なほうに属すると思いますが、夏は暑かったです。
モグラの買い取りもありましたか。害虫(害獣)の買い取りは意外と多いのですね。宇和島といえば、ニホンカワウソ探しはされましたか?
その他の実益を兼ねた昆虫採集として思い出したのは、一時期ですがカミキリムシの買い取りもあったように思います。玉青さんの標本のような色のきれいな物ではなくて黒白のとても大きい物でした。それから、イナゴの採集が、害虫駆除と食用を兼ねていて田んぼでポリ袋に集めましたが、売れたかどうかは記憶にありません。田舎ではわざわざ買って食べるほどのものでもないです。
_ 玉青 ― 2014年06月08日 10時26分29秒
○S.Uさま
ハエ取り紙のある光景は覚えています。
中がむき出しのゴキブリホイホイのようなもので、あれも気色のいいものではありませんでした。
それにしても、蠅の買取りというのは、絶望的に成果が見込めない事業ですね。
異常な努力によって、仮にその地域に住む蠅の半数を捕えたとしても、あっという間に元の数に戻ってしまうでしょうから。まあ、当時の人もそんなことはとっくに承知で、一種の啓発効果を狙っただけかもしれませんが…
○蛍以下さま
上にリンクを張った記事によると、昔はネズミの買取りというのもあったみたいです。
検索してみたら、今でも有害鳥獣(というのは所によって鹿だったり、熊だったり、カラスだったり、ヌートリアだったり様々ですが)の駆除に報奨金を出す市町村はあちこちにあって、1頭あたり幾らという発想も昔のままですね。(ひょっとしたら、同じことは江戸時代とか、さらに昔からあったのかも。)
考えてみたら、ミヤマクワガタって「深山クワガタ」なんですね。
ノコギリクワガタはカブトムシと同じく里山の住人という感じで、私の子供時代にはミヤマよりもずっと身近な存在でした(私が虫捕りに行った公園にもいたぐらいですから)。ミヤマは遠い憧れに近い存在だったんですが、まさに「所変われば虫変わる」ですねえ。。。
…というコメントを投稿する直前にS.Uさんからコメントをいただきましたので、私の方はまあ補足ということで。(^J^)
ハエ取り紙のある光景は覚えています。
中がむき出しのゴキブリホイホイのようなもので、あれも気色のいいものではありませんでした。
それにしても、蠅の買取りというのは、絶望的に成果が見込めない事業ですね。
異常な努力によって、仮にその地域に住む蠅の半数を捕えたとしても、あっという間に元の数に戻ってしまうでしょうから。まあ、当時の人もそんなことはとっくに承知で、一種の啓発効果を狙っただけかもしれませんが…
○蛍以下さま
上にリンクを張った記事によると、昔はネズミの買取りというのもあったみたいです。
検索してみたら、今でも有害鳥獣(というのは所によって鹿だったり、熊だったり、カラスだったり、ヌートリアだったり様々ですが)の駆除に報奨金を出す市町村はあちこちにあって、1頭あたり幾らという発想も昔のままですね。(ひょっとしたら、同じことは江戸時代とか、さらに昔からあったのかも。)
考えてみたら、ミヤマクワガタって「深山クワガタ」なんですね。
ノコギリクワガタはカブトムシと同じく里山の住人という感じで、私の子供時代にはミヤマよりもずっと身近な存在でした(私が虫捕りに行った公園にもいたぐらいですから)。ミヤマは遠い憧れに近い存在だったんですが、まさに「所変われば虫変わる」ですねえ。。。
…というコメントを投稿する直前にS.Uさんからコメントをいただきましたので、私の方はまあ補足ということで。(^J^)
_ 蛍以下 ― 2014年06月08日 13時01分39秒
S.U様
さすがにカワウソはレア過ぎて探そうともしませんでした(笑)。
探したといえば貝の化石とかイシガメをよく探しました。川ではハゼ類のドンコがよく獲れましたが飼育が難しいので、ひとしきり眺めたらリリースでした。今の時代と違って携帯でパシャリとはいかないので何の記録も残ってないのが惜しいような惜しくないような・・・。
京都府北部の内陸は水が奇麗なところだと思いますが、田んぼにカブトエビはいましたか?
玉青様
公園でノコギリですか!なんとも羨ましいお話です。
害獣といえばいま、ハクビシンがやばいらしいですね。人家の屋根裏に住みつく者までいるそうです。
それと、ひとつお伺いしたいのですがゾウムシってランク的にはどのような位置づけでしたか?あの奇妙な存在感はなんなんでしょうか。
さすがにカワウソはレア過ぎて探そうともしませんでした(笑)。
探したといえば貝の化石とかイシガメをよく探しました。川ではハゼ類のドンコがよく獲れましたが飼育が難しいので、ひとしきり眺めたらリリースでした。今の時代と違って携帯でパシャリとはいかないので何の記録も残ってないのが惜しいような惜しくないような・・・。
京都府北部の内陸は水が奇麗なところだと思いますが、田んぼにカブトエビはいましたか?
玉青様
公園でノコギリですか!なんとも羨ましいお話です。
害獣といえばいま、ハクビシンがやばいらしいですね。人家の屋根裏に住みつく者までいるそうです。
それと、ひとつお伺いしたいのですがゾウムシってランク的にはどのような位置づけでしたか?あの奇妙な存在感はなんなんでしょうか。
_ 玉青 ― 2014年06月08日 20時55分18秒
ゾウムシはファンが多そうですね。
何といってもあの姿形ですし、南方には美麗な種も少なからずいて、蒐集欲をそそられるのでしょう。外骨格がかっちりしているところなど、いかにも甲虫の名に恥じませんし、その生態も興味深いです(あの愛らしいオトシブミも仲間ですしね)。
何といってもあの姿形ですし、南方には美麗な種も少なからずいて、蒐集欲をそそられるのでしょう。外骨格がかっちりしているところなど、いかにも甲虫の名に恥じませんし、その生態も興味深いです(あの愛らしいオトシブミも仲間ですしね)。
_ S.U ― 2014年06月09日 06時45分25秒
蛍以下様、
>京都府北部の内陸は水が奇麗なところだと思いますが、田んぼにカブトエビはいましたか?
カブトエビについては、私の近くでは見聞きしたことはありません。広い範囲を見れば、いるところもあったかもしれません。水はきれいでしたが、水の動物相はそんなに豊富でなかったように思います。山地に近く川の水温が低かったせいかもしれません。水の生き物で印象に残っているのは、川エビと川シジミが家のすぐ近くの小川にいたことです。
>京都府北部の内陸は水が奇麗なところだと思いますが、田んぼにカブトエビはいましたか?
カブトエビについては、私の近くでは見聞きしたことはありません。広い範囲を見れば、いるところもあったかもしれません。水はきれいでしたが、水の動物相はそんなに豊富でなかったように思います。山地に近く川の水温が低かったせいかもしれません。水の生き物で印象に残っているのは、川エビと川シジミが家のすぐ近くの小川にいたことです。
_ 蛍以下 ― 2014年06月09日 15時36分22秒
S.U様
ありがとうございます。シジミいいですね。うちの田舎でも昔は採れましたが今はいないようです。カニ、ヤゴ、ドジョウ・・・涼しげな水棲生物の魅力も尽きませんね。
ありがとうございます。シジミいいですね。うちの田舎でも昔は採れましたが今はいないようです。カニ、ヤゴ、ドジョウ・・・涼しげな水棲生物の魅力も尽きませんね。
_ S.U ― 2014年06月10日 06時55分24秒
>カニ、ヤゴ、ドジョウ・・・涼しげな水棲生物
これらはすべていました。ドジョウは田んぼにいました。今はいないでしょうね。
田植えの手伝いで田んぼに入ると、水が冷たかったことを思い出しました。
これらはすべていました。ドジョウは田んぼにいました。今はいないでしょうね。
田植えの手伝いで田んぼに入ると、水が冷たかったことを思い出しました。
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それで思い出したのですが、私の子どもの頃には、子どもが捕まえたカブトムシやクワガタを近所のたばこ屋さんが買い取ってくれていました。これは、近郷の都市部でペット用に生きたまま売るためでした。
こういう子ども相手の虫の買い取り商売は、玉青さんのご存じの範囲でありましたか? 現在でもあるのでしょうか?