水の星につどう人々 ― 2014年06月10日 05時11分14秒
(前回のつづき)
記事を書くにあたって、この図をしげしげ眺めたら、裏地に謎のスタンプが押されているのに気づきました。
目をこらすと、
Aquarien-u. Terrarien
Verein
* Wasserstern *
Charlottenburg
と読めます。
ヴァッサーシュテルン、すなわち「水の星」。
これは水生植物の「アワゴケ」類のドイツ名だそうです。アワゴケは「コケ」といっても、いわゆる苔の仲間ではなくて、オオバコ科に属する植物。そして、シャーロッテンブルグはベルリンの地名。
(アワゴケ属ミズハコベ。ウィキペディアより)
ということは、このスタンプが意味するのは、
シャーロッテンブルグ水陸自然愛好会「アワゴケ倶楽部」?
委細不明ながら、なんとなくそういう団体が戦前のベルリンで活動していたのでしょう。
そして、この図譜は彼らの所有するところだったのでしょう。
なんとなく優しい話だと思いました。
しかし、心優しい彼らも、じきに暗い歴史に呑み込まれていったことを考えると、やはり人間の業というものも感じます。
【付記】 残念ながら、この図譜にアワゴケは載っていませんでした。
コメント
_ S.U ― 2014年06月11日 19時26分28秒
_ 玉青 ― 2014年06月12日 22時04分10秒
アワゴケの仲間には、完全に水中生活を送るものや、湿地で育つものなど、いろいろな生活パターンがあるらしく、そこが「水陸自然愛好会」のシンボルになった由来かもしれません。そして、「シュテルン」の名は、頂部で葉っぱが放射状に開いている感じが星っぽいということだと思うんですが、いずれにしても、いかにも涼しげな名であり、姿ですね。
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不思議な響きですね。ドイツ人にはどういう語感なんでしょうか。
想像が及ばないのがもどかしいです。海星(ヒトデ)とかヴァッサーマン(みずがめ座)とは、また感覚が違うのでしょうねぇ。
小さくたおやかな植物のようですから、やはり優しい神経の細やかかな人たちの集まりだったのでしょうね。