トンツーの思い出2014年07月06日 09時31分54秒

電信といえば、以前こんなものを買いました。


電鍵と音響器(sounder)のセット。無線ではなく、有線電信用のものです。
音響器というのは、電鍵の動きに合わせて電磁石の作用で金属バーが上下し、トンツー音を響かせる装置です。


私が子供の頃は電子工作が盛んで、ゲルマラジオなどと並んで、モールス練習機というのが初期の定番工作として、本や雑誌には必ず載っていました。
少数の電子部品とスピーカーを組み合わせ、電鍵(秋葉原のパーツ屋に行けば、他の部品と一緒に買えました。通販もあったと思います)を押すと、一定周波数の発振音が鳴るだけの単純な装置ですが、あれを片手に「ツツー ツーツツツ ツーツツーツ…」と電信の真似事をすることは、なかなか誇らしい気分を感じるものでした。


このセットは、さらにその昔の姿らしい。


裏面には配線があり、説明図が貼られています。


目をこらすと、後方の端子を経由して外部電池につなげば、これ単独でトンツーでき、もう1台のセットとつなげば、互いに信号をやりとりできる…と書かれています。一人でトンツーするのは練習のためでしょうか。いずれにしても、これはプロユースではなく、アマチュアの入門用というか、一種の学習用機器ではないかと思います。(電信界の事情に疎いので詳細は不明。)


ちなみに、生みの親は米ミシガン州の「Signal Electric Manufacturing 社」。

   ★

遠い誰かとつながっていたい―。
それは多くの人にとって、昔も今も変わらぬ思いでしょう。
(それが度を越して、ネット依存となると、ちょっとどうかと思いますが。)