透き通った天球(1) ― 2014年07月07日 06時59分24秒
最近はちょっと天文の話題が少なめです。
しかし、さすがに今日は七夕ですから、たとえ星がこれっぽっちも見えなかろうと、あに星の話題なかるべけんや。
しかし、さすがに今日は七夕ですから、たとえ星がこれっぽっちも見えなかろうと、あに星の話題なかるべけんや。
季節柄、少し涼しげなものを載せます。
透明なガラスの天球儀。高さ約27cmのこぶりな品です。
真横からだとこんなフォルム。
「天球」といっても、よく見ると下の黒い部分まで一体の造りなので、極端に胴が丸く、首の短い壺形と言った方が正確です。
銀の台座はおそらくアルミ製。
経緯線や星座はすべて表面から手描きされています。
「これはご丁寧に…」と思わず頭を下げたくなる「天球儀」のネームプレート。
「Gold Star」のロゴが素敵です。
「Gold Star」のロゴが素敵です。
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以前、天文骨董界の大御所トマス・サンドベリさんのサイトで、19世紀のスウェーデン製とされるガラスの天球儀を見たことがあります(以下、サムネイル画像はイメージ。詳細はリンク先を参照)。
それは球の半分まで赤い液体を入れたガラス球で、その水面を地平面になぞらえ、地上と地下に天球を二分しているのでした。
あるいは、カリフォルニアにある理系骨董の店、The Gemmaryでも、同じくスウェーデン製のガラスの天球儀が売られています。こちらはさらに凝った架台を備えており、中には青い液体が封入されています。大洋の真ん中で空を見上げたら、きっとこんな感じだろうなあ…と思わせるものがあります。
お値段は堂々の12,500ドル。
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手元のガラス天球儀は、時代も、作りも、これらとはまるで違います。
生まれも戦後ですし、値段にいたっては100分の1以下。でも私にはこれで十分に美しく感じられますし、何よりも収集は身の丈に合ったモノがいちばんです。
それに―ここが大事な点ですが―この天球儀がなぜ壺形をしているかといえば、やっぱり中に色水を入れて、地平面をイメージさせるためなのでした。
(この品の用法や素性を紹介しつつ、この項つづく)
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