顕微鏡下のウラニア2014年09月26日 07時03分59秒

空飛ぶウラニア、ニシキオオツバメガの話題のつづき。
以前、彼女のプレパラート標本を見つけました。


ラベルにある「Urania Madagascarensis」というのは、昨日の「Urania rhipheus」と同様、かつてこの蛾に与えられた数多くの学名のうちの1つで(※)、今は無効名(失効した学名)の扱いのようです。


カバーグラスに封じ込められた、ウラニアの翼の断片。そして虹のかけら。


この標本は、他の蝶・蛾の羽の標本と共に、4枚セットで売られていました。時代的には、いずれも19世紀半ば~後半ぐらいのものでしょう。



無数の鱗粉の配列が織り成すデジタルな美。
このカラフルなドット配置が、すべて遺伝情報によって制御されているのかと思うと、なんだか不思議な気分になります。

(この項まだつづく)


(※)この名そのものは典拠がはっきりしませんが、英語版ウィキペディア(http://en.wikipedia.org/wiki/Chrysiridia_rhipheus)には、「Chrysiridia madagascariensis」や、「Urania ripheus var. madagascariensis」という名が、ニシキオオツバメガのシノニム(異名)として挙がっています。