星と人2014年10月04日 18時29分03秒

ISTI MIRANT STELLA. 「この者たち、かの星に驚きぬ。」

  

中世のバイユー・タペストリーに描かれた、1066年接近のハレー彗星をモチーフにした、フランス製ピンバッジ。

  

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昔の人は、星を見つめることで、地上の災厄を予知できると考えました。
今の人は「星を眺めていると、この地球上の争いごとなど忘れてしまう」と言います。

これらは正反対の意見のようですが、星に思いを託すという点では共通する部分があります。昔も今も、人は辛い思いを抱えて生きていますし、辛い時には、ふと空を仰いで、自分の位置を確かめたくなったりするものです。

天上と地上の出来事が照応しているかどうかは分かりません。
身近な火山にしてからが、人事とは没交渉であることからすると、ましてや遠い星と人間が関係しているとはとても思えないのですが、しかし星と人が互いに重力で結びついているのも事実なら、この宇宙の基本構造が、認識者の存在によって規定されているという仮説も、なかなか論駁しがたいものがあります。

いずれにしても、星空はこれからも長く人々の思索を誘い、省察を迫ることでしょう。