台風一過 ― 2014年10月07日 07時28分41秒
台風は何人かの命を呑み込んで去って行きました。
台風はやっぱりおそろしいものです。
昨日の帰り道、台風などなかったように、空には月がまぶしく冴えかえっていました。
その光景はとても美しいものとして目に映りましたが、いっぽうで天象の酷薄さということも感じました。
台風はやっぱりおそろしいものです。
昨日の帰り道、台風などなかったように、空には月がまぶしく冴えかえっていました。
その光景はとても美しいものとして目に映りましたが、いっぽうで天象の酷薄さということも感じました。
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昨日の記事に載せた画像は、昭和33年(1958)発行の『天文と気象の図鑑』(講談社の学習大図鑑1)という、子供向きの本です(※)。
半世紀前の人にとって、台風はどんな顔を持っていたのかと思って開いたのですが、当然予想がつくように、当時は今以上に台風はおそろしいものでした。
上の表で、力なく壁にもたれているのは死亡者です。
その数字を見ると、数百人規模で亡くなる台風が毎年のように来ていましたし、その下にある全壊・流出家屋も、万で数える規模の被害がしょっちゅうあったことが分かります。それらと並んで船舶被害が特に示されているのも、当時の世の有様を彷彿とさせます(船は今よりも身近な存在でした)。
そして、ここには昭和31年の台風までしか載っていませんが、この図鑑が出た翌年(昭和34年、1959)、あの伊勢湾台風が襲来し、これはそれ以前の二大台風、室戸台風と枕崎台風を併せたぐらいの被害を出しました。
とにかく家屋はもろく、堤防も、防潮設備も、今よりもはるかに貧弱でしたから、人々はなす術もなく、台風が通り過ぎるのはひたすら待った…という風だったと想像します。(私自身の子供の頃も、出水被害はしょっちゅうでしたし、けっこう危ないこともあったと思うのですが、子供だったので、そう切実感はありませんでした。ちょっとしたイベントぐらいに思っていたのかもしれません。)
この図鑑を見て、昔の天気予報のことを一寸しのんでみようと思います。
(この項なんとなく続く)
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