1月の星空…オックスフォードから2015年01月07日 07時06分26秒

仕事がたまって、アップアップしていますが、七草を食べながら、ゆるゆると再開です。

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先月の20日、21日に取り上げた、エドウィン・ダンキンの『真夜中の空』。


その成功は、地上の風景と、その上に広がる星空とを対照させることで、一種のドラマ性を画面に付与したことにあると思います。こうした手法は、引き続き人気を博し、その延長線上に、現在の星景写真もあるのでしょう。

再三言及しているPinterestでも、『真夜中の空』ばりの愛らしい星図を見かけて、気になっていたのですが、最近同じものを見つけました。


淡い地上の建物と、それを見下ろすクッキリとした紺色の星空。
色合いも線も、スマートな魅力を感じさせます。


キャプションを読んでみます。

 「1月の星空。さあ、これから月ごとに、星の探し方を示す星図を掲げていきましょう。これがその最初の図です。それぞれの図は、月半ばの午後9時頃(グリニッジ標準時)の星の見え方を示していますが、その時刻は一晩ごとに約4分ずつ早まっていきます。上の星図を使って、皆さんは1月半ばから2月半ばまでの星空を学ぶことができます。皆さんは今、オックスフォードの町から、ハートフォード・カレッジとボードレー図書館の方を向いて、南の空を眺めているところです。しかし、イギリス国内であれば、どこからでも南を向けば、ほぼ同じ位置に星を眺めることができるでしょう。」


イギリス各地の風景を画き込んだ星図が、上のものを含めて全部で12枚あります。このブログでも、これから1年かけて、それを順々に見ていくことにします。

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この星図の正体は最初分からなかったのですが、いろいろ調べたら、児童向け百科事典に収録されていたものと判明しました。イギリスで1922年から59年まで版を重ねたThe Waverley Book 社の『The Book of Knowledge』という全8巻のセットです(※)。

その第1巻から第7巻までは、アルファベット順に事項の説明があって、最後の第8巻は、総索引と「おまけ」の記事で埋まっているのですが、この星図はその第8巻に収められています。なお、今回届いたのは、同百科の1949年版から取ったもののようです。


(※)他にも同名の百科事典が出ていて紛らわしいですが、ここでいうのは、英語版Wikipediaが「Cassell’s Book of Knowledge」という名称で項目立てしているものです。