天文学史のイベント2題(その1) ― 2015年02月04日 19時35分30秒
ちょっと小耳にはさんだ話題。
天文学の歴史を振り返るきっかけとなるイベントが、東西で開かれます。
天文学の歴史を振り返るきっかけとなるイベントが、東西で開かれます。
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1つ目はまもなく東京でスタートする「ルーヴル美術館展 / 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」です。
○公式サイト:http://www.ntv.co.jp/louvre2015/
○会期: 2015年2月21日(土)~6月1日(月) 10:00~18:00
※5月5日、26日を除く毎週 火曜日 休館
※毎週金曜日、5月23-24日(土、日)、5月30-31日(土、日)は20:00まで開館。
※4月25日(土)は22:00まで開館
○会場: 国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
※MAP → http://www.nact.jp/information/access.html
○巡回展: 6月16日~9月27日まで京都市美術館にて。
○会期: 2015年2月21日(土)~6月1日(月) 10:00~18:00
※5月5日、26日を除く毎週 火曜日 休館
※毎週金曜日、5月23-24日(土、日)、5月30-31日(土、日)は20:00まで開館。
※4月25日(土)は22:00まで開館
○会場: 国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
※MAP → http://www.nact.jp/information/access.html
○巡回展: 6月16日~9月27日まで京都市美術館にて。
なぜ風俗画の展覧会と、天文学史が関係するかといえば、フェルメールの《天文学者》が展示されるからです。今回が日本初公開。
画像ではおなじみのあの傑作を、身近で見られる得難い機会です。

(ヨハネス・フェルメール作 《天文学者》、1668年)
同美術館の広報ページから、そのまま転載すると(http://www.nact.jp/exhibition_special/2015/louvre2015/index.html)
《天文学者》はユダヤ系の銀行家一族、ロートシルド家に旧蔵され、第二次世界大戦中にヒトラー率いるナチス・ドイツに略奪されるという数奇な運命を経たのち、1983年にルーヴル美術館に収められました。同館に所蔵されるフェルメール作品は、2009年に来日を果たした《レースを編む女》と、《天文学者》の2 点のみです。そのため、常設展示に欠かせない《天文学者》は、ルーヴルを離れることがきわめて稀な作品のひとつでした。
…という背景を持った作品です。
展覧会の構成は、プロローグⅠ「風俗画の起源」に始まり、1章「労働と日々―商人、働く人々、農民」、2章「日常生活の寓意―風俗描写を超えて」…6章「アトリエの芸術家」と続きますが、《天文学者》は第2章の目玉になります。
再び、国立新美術館のページから。
寓意を担う風俗画のなかできわめて独自な位置を占めるのが、フェルメールの《天文学者》です。この作品は、シュテーデル美術館に所蔵される《地理学者》と対をなし、天と地を象徴するものと解釈されます。とはいえ、この作品をなにより際立たせているのは、風俗描写も寓意的次元も超越するかのような光の表現の美しさ、ひとつの小宇宙のような詩情をたたえる静謐さでしょう。
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この絵については、以前このブログでも、ちょっと変わった角度から取り上げました。
絵の構成からすれば、後景の脇役に過ぎない、下の「画中画」の正体を考えるというものでした。そして、その答は依然出ていません。まあ、実物を見ても答が出るわけではありませんが、しかし改めて頭をひねる良いきっかけです。

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会期中、関連イベントとして、以下のような不思議な催しもあります。
■対談 「天文学者×占星術師 フェルメール《天文学者》をめぐって」
○対談者: 渡部潤一(国立天文台副台長)、鏡リュウジ(占星術研究家)
○日時: 4月18日(土)14:00-15:30
○会場: 国立新美術館 3階 講堂
○備考: 定員260名、要事前申込み
○対談者: 渡部潤一(国立天文台副台長)、鏡リュウジ(占星術研究家)
○日時: 4月18日(土)14:00-15:30
○会場: 国立新美術館 3階 講堂
○備考: 定員260名、要事前申込み
Astronomer と Astrologer が分離して以来、両者の間には激しい角逐がありました。
当代きっての天文啓発家・渡部氏と、占星術研究家・鏡氏との対談が、いったいどんな塩梅で進むのか、ぜひ拝聴したい気がします。
当代きっての天文啓発家・渡部氏と、占星術研究家・鏡氏との対談が、いったいどんな塩梅で進むのか、ぜひ拝聴したい気がします。
(でも聞くところによれば、渡部氏と鏡氏は以前も対談されているそうで、21世紀の天文家と占星術家は、昔と違って、意外に和気藹々とやっているのかもしれません。)
(ちょっと長くなったので、「西」の展覧会は次回に回します。この項つづく)
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