カテゴリー縦覧…太陽・日食編:サンライトイエロー2015年02月26日 07時05分04秒

仕事の方は相変わらずですが、3日間不在にするので、取り急ぎ1回更新します。


太陽と黒点を描いた19世紀半ばの幻灯スライド。
手描きのガラス絵を木枠に嵌めたのは、当時の標準スタイルで、まだ幻灯に写真が応用される前の時代のものです。スライドの丸窓全体を太陽に見立てて絵にしているのが、ちょっと面白い工夫。


木枠にプレスされたメーカー名は、19世紀前半~20世紀初頭まで存続した、ロンドンの科学機器メーカー、Carpenter and Westley。


枠の上部に「5」のナンバリングがあります。
おそらく、セット物の天文教育スライドの内の1枚でしょう。


裏面はこんな感じ。


ガラス絵を別のガラスで覆い、金属環で固定してあります。
こういう風にガラスで絵柄をサンドイッチしてあるものは、一般に保存状態良好ですが、中にはカバーガラスのないものがあって(メーカー製ではない、個人が作製したものに多い)、そういうのは絵の具の剥落が激しく、手元に届いたらガッカリ…なんていうこともあります。


疾走する波紋の源。
山吹色の恒星面でうねり、ねじれる強大な磁場の影。

でも、19世紀人は太陽黒点の正体を知らなかったので、この幻灯上映会を見ても、何となくユーモラスな、どちらかといえば静穏な太陽像を、心に抱いたかもしれません。