流星ラジオの流れる夜…カテゴリー縦覧:流星・隕石編2015年03月09日 07時00分06秒

流星モチーフの切手は、ありそうで意外に少ないです。
下は、1957~58年の「国際地球観測年」を記念して、旧ソ連で出た切手。


左側は望遠鏡による太陽観測、右側は流星の電波観測を描いたもの。
夜のしじまを破り、星空を切り裂いて飛ぶ大流星が見事です。
観測者のレシーバーも、さぞ大きなノイズを拾ったことでしょう。

   ★

「地球観測年」は、英語だと「International Geophysical Year」で、普通に訳せば「国際地球物理学年」です。その観測対象は、地上や地下の現象はもちろん、気圏を超えて磁気圏の現象にまで及んでいました。流星の観測は、たぶん高層大気の研究と結びついていたのだと思います。

ちなみに、南極の昭和基地は、この地球観測年に合わせて建設されたそうです。
また、おなじみのヴァン・アレン帯が発見されたのも、地球観測年の成果だということを、先ほどウィキペディアを読んで知りました。


【付記】
標題が毎回「カテゴリー縦覧」で始まるとうっとうしいので、サブタイトルを前に持ってくることにしました。

コメント

_ S.U ― 2015年03月10日 08時16分52秒

1957-58年の国際地球観測年は、冷戦期におおっぴらに人工衛星を打ち上げる大義名分になって、洋の東西で盛り上がったのではないかと思います。ヴァン・アレン帯発見も人工衛星による最初の大きな科学観測成果といえますね。日本でもカッパロケットの開発が、国際地球観測年をダシにして行われたと記憶しています。ヘタをすると再軍備ではないかと疑われるような時代だったといいます。
 こういう国際的に各国が独立した盛り上がりの時代はもう来ないのではないかと、ふと思います。

_ 玉青 ― 2015年03月11日 00時13分16秒

危なっかしくも賑やかな時代だったのですね。

…と、ちょっとノスタルジーをまぶして語れるのも、時の流れのおかげで、当時の人に言わせれば、きっと「賑やかかもしれないが、危なっかしくて見ちゃおれない時代」だったかもしれませんね。

_ S.U ― 2015年03月11日 08時24分35秒

「洋の東西」ではなくて「『鉄のカーテン』の東西」でした。最近とんと耳にしない言葉ですので…
 ついついノスタルジーにはまってしまいますが、あういういつ核ミサイルが飛ぶかわからない時代はもうごめんです(笑)。

 冷戦下の米ソの科学交流について、少なくとも、宇宙開発と素粒子原子核物理については、いずれ調べてみたいとずっと思っています。双方に利のある交流とスパイ行為とはたいへん微妙なので難しいテーマで手の付け方がよくわからない状況です。

_ 玉青 ― 2015年03月11日 23時20分49秒

>冷戦下の米ソの科学交流

門外漢ながら興味深いですね。
何となくアポロとソユーズのドッキングを思い出します。
鉄のカーテンの時代も、細々とチャンネルはあったんでしょうか。
これまた何となく五木寛之の「青年は荒野をめざす」を思い出すんですが、60~70年代は、アメリカと日本でも、ソ連に対する距離感はだいぶ違っていた気がします。日本中の若者が、モスクワに憧れめいた感情を抱いたなんて、今から思うととても不思議な感じです。

_ S.U ― 2015年03月12日 06時15分51秒

>鉄のカーテンの時代も、細々とチャンネル
両者の成果は科学論文として発表されており、ただその肝心かなめの技術の部分が秘密になっていたという状況だったので、その成果の裏付けとして秘密の部分ギリギリまで迫る「交流」はあったはずです。また、意識的なリークで相手の出方を見るというのもあったでしょうね。アポロとソユーズのドッキングは、政治的要素のほかに、今後の協力のために相手方の技術を確認したいという本筋での目的も大きかったのだと思います。

>日本中の若者が、モスクワに憧れめいた感情を抱いた
 五木寛之は未見ですが、私もその若者の一人ですので気持ちはよくわかります。思い出してみるに、日本では、「東側」というのに親しみがあったのかもしれません。東洋では無く鉄のカーテンの東側ですが。少なくとも高度経済成長期の日本から見たソビエトは、「悪の帝国」でもなく「未来の新天地」でもなく、何か規律と人情がほどよく調和した落ち着ける世界だったのかもしれません。

_ 玉青 ― 2015年03月13日 07時07分10秒

抑留や引き上げの苦労はよく耳にしますけれど、それでもなお日本人の一部が、ロシアやソ連に近しいものを感じたのは、「土の匂い」の故かもしれませんね。いわゆるロシア文学やロシア民謡の世界といいますか、ある種郷愁に近い感覚がありそうです。いかにも「もっさい」感じがあって、むしろ「もっさい」ところがいいのでしょう。

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