国家百年の計はいずこに在りや2015年04月04日 11時31分07秒

それにしても人を馬鹿にした話です。

   ★

今年の2月14日の記事の冒頭より。

非正規雇用は現代の「水呑み」であり、正社員は「本百姓」である。
そして、為政者は絶えず百姓を「生かさぬよう、殺さぬよう」搾り取ろうと虎視眈眈としている。
…そう考えれば、眼前の事態の8割がたは正しく記述していると確信します。

残業代ゼロ法案が閣議決定されたことで、今やその確信は10割に達しました。

まず年収1000万円以上という、庶民には実感の薄い数字を看板に掲げて、だまし討ち的に制度を成立させてしまおうという、そのやり口がいかにも汚いです。まさに欲の透けて見えるフット・イン・ザ・ドア。

いったん制度が成立すればしめたもので、800万、600万、400万…とハードルを下げるのは、お茶の子さいさいですから、あとはむしりたい放題。そんなことは子供でも分かる話ですが、そこは朝三暮四の常で、相手の悪知恵が一段まさっていることを認めないわけにはいきません。

   ★

いったいそんなに悪知恵を働かせて、この国をどうしたいのか。
辞書を引くと、こういう人を「奸賊」と呼ぶらしいです。


コメント

_ S.U ― 2015年04月04日 18時35分05秒

>残業代ゼロ法案
 「人に労働を提供してもらった場合には、対価を支払う」というのが自由主義経済あるいは市場経済の原則ですよね。人をタダで働かせて良いならば、お金を払わずに人の財産を奪うこともOKになりますから、市場経済は根底から崩れます。共産主義の社会で、労働者の地位を保証した上でやらせるタダ働きなら成立するかもしれませんが。
 
 問題は、この法案を支持しているのが市場経済を支持する政党であり、共産主義寄りの政党はこれに反対しているという事実です。日常社会には説明のつかないことが多すぎます。

_ 玉青 ― 2015年04月05日 17時26分53秒

まあ、資本家というのは、得てして搾取が好きなものですが、こう露骨にやられると鼻白みます。
とにかく無茶な話ですし、筋の良くない話です。

_ S.U ― 2015年04月06日 07時09分34秒

>無茶な話ですし、筋の良くない話
 市場経済の恩恵を受けている人たちが、自分の儲けを確保するために、企業努力を一方的に社員に押しつけて適正な対価を支払わない、つまり自分だけの都合で原則を曲げる、といっているのですから、彼らは社会の破壊者です。
 
 たとえて言うならば、サッカーの監督が「ボールを蹴って走って行ったのでは相手に邪魔されて点が取れないので、手で持って走れ」と言ったり、大相撲の力士が「まわしをつけていると相手に掴まれて投げられるので、ワシはまわし無しで相撲を取るのだ」というようなものです。

_ 玉青 ― 2015年04月06日 20時56分40秒

>ワシはまわし無しで相撲を取る

あはは。これはズバリ問題の核心を突いた喩え。
結局、のっけからルール無用の「アウト」の話なんですよね。
年収が多いから、労働の対価を支払わんでもいいだろう…というのは、「恣意」の2文字に尽きるわけで、どんなに理屈をこねても正当化は難しいと思います。

!!書きながら、この話の気色悪さの正体が、今ようやく分かりました。
今回の件は、年収の高い人に涙を呑んでもらうにしても、それが所得の再分配にまったく結びついてなくて、得をするのは企業だけというのが、腐臭を放つ原因なのでしょう。

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