衛星シガレット…カテゴリー縦覧:ロケット・人工天体編2015年04月04日 11時34分59秒

さて、憤怒の河を越えて、記事は記事で続けます。

  ★

旧ソ連時代に売られていたシガレットの空き箱。


紺色の空に金の星が光り、これまた金の機体の衛星が、地球重力を振り切るかのように飛んでいます。サッと走る効果線が、微笑ましくていいですね。
モチーフは、1958年5月に打ち上げられたスプートニク3号

当時の宇宙空間は、まだアメリカが進出する前で、ソ連の独壇場でした。

銀のボールに4本のアンテナがシュッと伸びた、スプートニク1号(57年10月打上げ)。
ライカ犬を乗せて飛んだ、スプートニク2号(同57年11月)。
そして、このロボットっぽい外観のスプートニク3号。


スプートニク3号は人類初の本格的な科学観測衛星で、その機体にはソ連の科学技術の粋が投入されました。その後、1960年4月に大気圏で燃え尽きて消滅。

(箱の裏)

この製品は、モスクワのタバコ会社、Java (Ява)が売り出したものです。
ソ連で初めてフィルター付きの紙巻きたばこを売り出したのが同社だとか。

ちょっとオヤ?と思うのは、このスプートニク煙草は、打ち上げ当時にリアルタイムで販売されたのではなしに、1966年以降に売り出されたものだという事実です(というのは、Javaブランドの立ち上げが1966年だからです)。ソ連の人が、いかにスプートニク3号を誇りに思っていたか分かる気がします。10本入りで2ルーブル10コペイカ…というのが、どれぐらいの価値に相当するのか分かりませんが、この箱の凝りようからすると、高級タバコの扱いだったのかもしれません。


この箱は宇宙バッジをしまうのに使っています。

コメント

_ S.U ― 2015年04月04日 19時38分17秒

>どれぐらいの価値に相当するのか分かりません
 きれいなデザインですが、高級なのか気になりますね。

 1980年頃に、ソ連の公的レートで、1ルーブル=1ドルと聞いたことがあります。多少はサバを呼んでいて1ルーブル<1ドルだと思うのですが、実際どうだったでしょうね。それより以前の10~20年間は米国もソ連も超大国だったので物価は比較的安定していたと思います。ただし、ソ連は、1961年にデノミを実施しています。1966年にはおおむね1ルーブル=1ドルで目安になるのではないでしょうか。

おそロシ庵さん「ソ連時代の物価をわかりやすく紹介します!」
http://osoroshian.com/archives/43397785.html

によると、だいたい、1ルーブル(当時)=1ドル(当時)=500~1000円(今)くらいで正しいのではないでしょうか。だとすると、庶民がたまに買える程度の高級な部類くらいだと思います。

_ 玉青 ― 2015年04月05日 17時35分49秒

ありがとうございます。
こういうことは、分かりそうでなかなか分からないですね。
それでも、タバコとしてはやっぱり高価な部類だったようで、ソ連の人も愛おしみつつ吸ったのでしょうね。

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