天文家への警鐘…カテゴリー縦覧:写真・幻燈・スライド編 ― 2015年06月04日 22時42分48秒
昨日の絵葉書は、天文家が天使におちょくられてギャフンとなる…というオチのようでした。天文学がいくらハードサイエンスだ、ビッグサイエンスだと、しかつめらしい顔をして見せても、やはり筒先を空に向けて、星界の消息を覗き見しようとする時点で、なにがしかの怪しさは逃れ難く、異形の者に魅入られたりすることもあるわけです。
(左右の差し渡しは21.5cm、丸窓の径は6cm)
上は19世紀フランスの幻灯種板。
金属ケースの中を、ガラス絵がスライドすることで、絵柄が変るという仕掛けが施されています。
金属ケースの中を、ガラス絵がスライドすることで、絵柄が変るという仕掛けが施されています。
このやっぱりトンガリ帽子の古風な天文家も、最初は熱心に太陽や流れ星を観測していました。そして天界の驚異を目にして、大いに心が満たされていたのです。
しかし、好事魔多し。
彼の視野にはいつか悪魔の跳梁が見えるようになります。
そして、耳には悪魔の囁きが…。
彼の視野にはいつか悪魔の跳梁が見えるようになります。
そして、耳には悪魔の囁きが…。
★
天文家たるもの、第一線の研究者から、ベランダ観望家に至るまで、これは大いに用心せねばなりません。大宇宙は―その恐るべき虚無は―なまなかな気持ちで対峙できるような相手ではありません。
ときには筒先から目を離し、グラスを傾けたり、パイプを握り締めたりする必要があろうというものです。
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