「星を売る店」のドアを開ける(3)…金平糖の星2015年06月24日 06時17分43秒

以下、繰り返しになりますが、「星店」に並ぶ星の様子を再度掲げます。

 が、この時横切ろうとした辻の向うがわに、ふしぎな青色にかがやいている窓を見た。青い光に縁がある晩だ、こんどは何者であろう、と近づいてみると、何と、その小さいガラス窓の内部はきらきらコンペイ糖でいっぱいでないか!

 ふつうの宝石の大きさのものから、ボンボンのつぶぐらいまで、色はとりどり、赤、紫、緑、黄、それらの中間色のあらゆる種類がある。これが三段になったガラス棚の上にのせられ、互いに競争するように光っている。

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この星たちが「星店」の主役。
ただし、あまり工夫の余地はないかなあ…という気もしています。

もう少し後の方には、星を手に持った印象として、「案外重い代物である。中心部から矢のような光が射して、これがアレキサンドライトのように、見る位置によって色を変える。」という記述もあって、それが鉱物様のものであることが示唆されます。


鉱物、カラフル、指でつまめる大きさ、鋭角的な表情…となると、これはもう蛍石(フローライト)の八面体結晶が、その最有力候補であることは衆目の一致するところで、ネット上でも、あの場面に蛍石を連想する人、あるいは反対に、蛍石がズラッと並んでいる場面に「星店」を思い浮かべる人は多いようです。

何と言ってもキラキラときれいですし、金平糖のようなお菓子めいた感じもあります。
それに、「蛍」は足穂を呼び出す呪文なので(=蛍と10回唱える)、ここはもう蛍石で行くことにします。


ただ、そこに若干ひねりも加えたいと思いました。
ちょうど角々しい星のような形に削り出した天然石を、パワーストーン系のお店で見かけたので、蛍石の間にそれも混ぜて置いてみることにします。


いくぶん安易な気もしますが、まず「星」はこんなところでしょう。

(この項つづく)