閑中忙あり2015年09月16日 06時49分42秒

よお、調子はどうだい? ノンビリ昼寝して、だいぶエネルギーも補充できたろう。

いやあ、小人閑居して何とやら。ブログで使わない分、他で使ってしまうんで、あんまり補充もできないね。

やれやれ、国家がどうとか、時々大きく出るくせに、自分のこともままならないのか。

はは、そこが小人の小人たるゆえんでね。それにしても、世間は相変わらず騒がしいね。

奸賊はびこり、いずくに徳義の士あらんや…か。

本当だね。ときに最近薄気味悪く思うのは、安倍さんは、ひょっとしたら安倍さん自身が思っているよりも、いっそう邪悪な存在じゃないかと思えることさ。

さすがに邪悪は言い過ぎじゃないか。

いや、はっきりと邪悪だよ。何たって取り巻きが悪いもの。あんな平気で食言する破廉恥漢、かついだってしょうがないと思うけど、日本人は神輿でもなんでもかつぐのが好きだから…。それに何たって一国の総理大臣なんだから、かつぎがいがあるじゃない。でも、真に狡猾な人間にかかったら、安倍さんなんて簡単に転がされてしまいそうで、そこが何とも怖いね。

たしかに、武器を売る死の商人も、人材派遣という名の人あきんども、原発利権も、闇社会も、内外の筋の悪い連中が、いっせいに喜色満面で跳梁している気配があるな。

ただ、そういう「実利」を追う連中の肚は分かりやすいけど、何て言うかな、もっと人間の中にある良くないものが、安倍さんの周りには漂っているように思う。

何だか神がかってきたな。

ナチズムもさ、実利だけだったら、あそこまで邪悪にはなれなかったと思うんだ。いわゆる「霊的熱狂」がその背後にはあったよね。

そういや、「安倍首相がヒットラーだったら、あんな風にデモが許されるわけがないwww」…という冷笑的な書き込みを見たよ。

確かにね。そもそも比喩というのは、両者が違うことを前提にしているわけだから、安倍さんがヒットラーとイコールとは思わないんだけど…。まあ、支持率も低下気味で、その命脈も先が見えた感はあるけど、安倍さんの後釜を狙う人間には事欠かないし、要は安倍さん個人よりも、「安倍的なる存在」が権能を手にしたことが問題なのかもしれないね。―とはいえ真面目な話、今後もし、反・安倍や反・自民の態度を鮮明にした人が、公職や公的地位を追われるような事態になったら、それこそ明白な危機だと思うんだ。ナチが政権を完全に掌握したとき起こったのも、まさにそれだからね。用心しないと。

でも、そんなファシズム体制をアメリカが容認するはずない、という意見もあるぜ。

もちろんアメリカも一枚岩じゃないし、批判は出るだろうさ。
でも、先方の権力者や取り巻き連中にしてみれば、アメリカの商売に不都合がなければ―むしろその方がうまい商売ができるなら、進んで容認するんじゃないの。

   ★

それにしても、「ネトウヨ」っているじゃない。彼らは一体何を主張したいんだろう?

突き詰めて言うと中国脅威論だろ。

うん、中国共産党の一党独裁とか、覇権主義に対する警戒の念っていうのは分からなくもないよ。僕だってきっぱりとそれには反対さ。でも「ネトウヨ」が香港の民主化デモを支持したって話も聞かないし、何だか話のつじつまが合わないじゃないか。それに安全保障上の危機に関しちゃ、日本の喉元に突き付けられた北方四島の方が、よっぽど不安定要素なのに、この間、ロシアに話題が集中したふうでもない。いかにも妙だよね。

彼らの世界地図には、日本、韓国、北朝鮮、中国、それにアメリカしか無いんじゃないの。そもそも、韓国と中国が同じ価値観を共有していると思いこんでいる時点で、認識が相当おかしい。 

イスラム国に日本人ジャーナリストが首を切られるのを見て喝采したりして、彼らはいったい何を奉じているのかな?我が同胞ながら、イスラム国よりも不気味なものを感じるよ。

それこそ「人間の中にある良くないもの」が噴き出した図だな。


コメント

_ S.U ― 2015年09月16日 19時49分32秒

政府与党の政策は、某国の「瀬戸際外交」と似ています。某国と日本の政権が同じだと言うことはないのですが、外圧や国際緊張を利用して独裁的政権を強めようとしているところはほぼ同じでは無いかと思います。ただ、違うのは、日本では、それが国民の反感を買って人気を落としているところで、これでは失敗でしょうから、某国よりも日本はだいぶマシです。

 それでも、政権がひるまないところを見ると、これは、何かさらに別の力が働いていて、人気が落ちようともなりふりかまわず突っ走りたいという欲望が感じられます。まったく別のところから、日本を危ない道に進ませる力がかかっているように見えます。おそらく、政権与党が全体として安倍政権を支える理由もその辺にあるのでしょう。そういう他からのわけのわからん力に国全体をゆだねているという意味では、かの某国の独自の道をゆく独裁政権のほうがまだ日本よりマシかもしれません。某国は、国民に見捨てられたらそれまでですが、日本は、国が国民を見捨てるか国民が国を見捨てるところまで進みそうです。

 その前に平和裏に政権交代させるべきでしょう。
 ここで、敢えて書きますが、日本の選挙制度では、有権者は、首相ではなく、小選挙区、比例区で、ほぼ政党を選ぶことになっており、政党の議員が政権を支えますので、首相が邪悪なのは、自民党と公明党が邪悪だからというべきでしょう。この理解こそ議会制民主主義の要諦と考えます。

 ところで、高校の時、漢文の時間に習った中国の故事「鼓腹撃壌」を思い出しました。国民に緊張を強いらない政治が本当に良い政治だと思います。昔の中国の人は偉いです。

_ 玉青 ― 2015年09月17日 06時15分30秒

>鼓腹撃壌

まったくですね。この間、だいぶ緊張を強いられて、ゲンナリです。
とはいえ、これまた不気味なのは、この状況でも鼓腹撃壌している人が多く見受けられることです。ここ2,3年の一連の動きを想起し、何となく「ゆでガエル」の話を連想します。でも、実際のカエルは「ゆでガエル」にならないことをさっき知って(例によってウィキペディアですが)、人間はカエルよりも適応力があるのか、ないのか、思案に暮れています。

ともあれ、ここ数日は緊張を持続して、国政を担う人々の行動をしっかり目に焼付けようと思います。

_ S.U ― 2015年09月17日 20時33分20秒

>この状況でも鼓腹撃壌している
 堯舜の時代はともかく凡人が治める民主主義においては、鼓腹撃壌をしている暇もないというのは残念なことです。憲法12条に「国民の不断の努力によって」と書かれているので、現行憲法を擁護するにはこれは運命なのかも知れません。

>人間はカエルよりも適応力があるのか、ないのか
 適応力と言えるのかはその最終結果を見るまでは何とも言えませんが、せめて人間が勝るという「記憶力」で、良かったことも悪かったことも、次の国政選挙まで覚えていたいものです。

_ 蛍以下 ― 2015年09月17日 21時04分20秒

メディアを含め、野党をはじめとする反対派のダメさ加減の方がむしろ気になります。
単に私の見落としかもしれませんが、「なぜ集団的自衛権など必要ないのか」という説明はほとんどなされず、「違憲だから反対」の一点張り。
もちろん、それだけで理由としては十分だという意見には異論ありませんが、自衛隊の存在自体が違憲だと考える憲法学者が大勢いる以上、「憲法学者の大半が反対している」などと当たり前のことを主張されても、カウンターとしてはあまり効き目がないように思います。「自衛隊は合憲だが、安保法制は違憲だ」と考える学者がいるのであれば、そこを強調してもらわないと。
とにかくデモ隊が怒っているとか自民は酷いとかいった印象操作に終始するばかりの報道にはうんざりします。私はテレビも新聞もやめました。国民に真剣に考えさせるといったことはメディアの頭には端っからないのでしょうね。 野党も勝目ないと見て自民ネガティブキャンペーンだけやってればいいとでも思ってるのでしょう。

_ 玉青 ― 2015年09月19日 09時52分52秒

○S.Uさま

記憶は喜びと悲しみの源。
エデンの園で暮らしていた時代、ヒトには記憶がなかったのかもしれませんね。
楽園を追われた後、言葉が生まれ、文字が生まれ、そして何よりも時間の観念が生まれ、そこからさらにヒトは自分の有限性を知り、恐怖の念に駆られ、無限の存在に至ろうという悪あがきが始まった…。
カエルのつやつやした瞳から、そんなことを思いました。

ともあれ、記憶を授けられた者のさだめとして、眼前のできごとを記憶に、言葉に、文字に刻みましょう。


○蛍以下さま

たしかにマスコミは、もっと全体的な構図を俯瞰してほしかったですね。
法案(今は案が取れましたが)の影に渦巻く利権の構図とか、右派の総本山たる日本会議の存在とか、報道しがいのある話題はいろいろあったと思うんですが、そういうことはあまり表に出ませんでした。でもそのおかげで、現代の日本において何がタブーなのかが、逆照射された気配もあります。

安保法案は憲法との不整合をはじめ、矛盾だらけの法案で、まったく考慮に値しないものと私の目には映っていますが、ここで悩ましいのは、「矛盾しているからダメだ」という理由づけで否定しようとすると、自衛隊の立ち位置も含めて、実はこれまでの現状も矛盾をはらむものだっことです。

それゆえに、「その矛盾を解消するために、この法案が必要なのだ」という主張に、一定の説得力というか、もっともらしさが備わったことも確かでしょう。もちろん矛盾を以て矛盾を解消することはできませんし、ますますこんがらかるだけの話ですが、威勢のよいお調子者ばかりでなしに、よくものを考える人の中にも、この奇法(とあえて言いますが)が一定のシンパを持ち得たのは、それゆえだと思います。

この法案には、そもそも現状に対するアンチの意味があったので、賛成する人が反対する人に向けて「じゃあ対案を出せ」と迫ったのは、心情的に分からなくもありません。それに対して野党が「対案は廃案することだ」と突き放したのは、論理的にも、戦術的判断としても正しかったと思いますが、賛成派からすれば、怯懦な態度に見えたことでしょう。

まあ、与党内部には「この国の行く末を如何とす」というような深慮はなく、力と欲と保身の念しかないように私は思いますが、そういう連中の想像を超えて、今後論議ははさらに大きく、深くなっていくかもしれませんね。対米従属を批判する人々も(私もそうです)、日米安保の解消と再軍備のような踏み絵的話題と、直面化していくことになるでしょう。

(とはいえ、私は国士でも何でもないので、素朴に「権力者の都合で殺し殺されるのは嫌だなあ」と厭う気持ちが9割9分です。)

_ S.U ― 2015年09月19日 11時31分33秒

>眼前のできごとを記憶に、言葉に、文字に
 これは、大事だと思います。知らないうちに茹だるのではなく、せめて「茹だるぞ、茹だるぞ」とつぶやき、書きながら茹だりたいです。精神衛生上はよろしくないですけど。今回の自衛隊の活動の問題に照らすならば、どうも、PKO法案成立あたりから、茹で始められていたと思います。PKO法案成立はよいとしても、そのあとも自民党に引かれていた線路だったので、この間に政権を換えるべきだったと思います。

 私も、蛍以下さんのおっしゃることはわかります。どうも、なかなか建設的な議論の発展が難しいですね。沖縄の基地問題、周辺海域の防衛、さらに、安保条約や9条改憲法オプションもあって全部絡んでいますので、それらを共に合わせて議論するべきです。また、多様な防衛の必要性もあり得ると思いますが、そもそも多くの必要なことを、法の整合性やリスク管理と照らしながら、順々に解いて行くのがふだんやっている正しい政治のやり方だと思います。ところが今回は、とにかく必要だから何が何でもこのまま今国会で通せというわけで反対派にもマスコミにも議論をする時間が与えられなかったのが厳しかったと思います。(それだったら、自然災害、原発事故から国民の命と国土を守る対策だけを取っても、もっとただちに必要なことがあるんじゃないのと皮肉を言いたくなります。なんで、切れ目の起こらない堤防ができていないのか!)それにしてもマスコミの議論の怠慢はあったようですので、擁護するつもりはありません。

 でも、デモの人たちについては擁護をさせてください。今回は、自衛隊が違憲だと思う人もデモにいただろうし、逆に海外の自衛隊の活動も違憲だとは思わないけど、アメリカのはじめるおかしな戦争に付き合わされるのはいやだと思った人もいたと思います。また、そんなことは関係なくとにかく戦争行為に関わるのは一切ごめんという人も同じデモにいたでしょう。今回のデモは、一通りの見方ではなく、いろいろな人がいたということで、選挙とはまた違うデモの積極的な意義が見いだせたと思います。選挙があるのでデモはいらない、という批判はかなりかわせるのではないでしょうか。

_ 玉青 ― 2015年09月21日 17時25分34秒

>「茹だるぞ、茹だるぞ」とつぶやき、書きながら茹だりたい

これこそカエルにはまねできない、人間ならではの営みですね。
法案成立後も人々はなかなか意気盛んに見えますし、まだまだ国論を揺さぶることでしょう。

 茹でガエル 負けるな人民 ここにあり

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