アストロラーベ風の何か2016年01月19日 20時04分53秒

全国で暴風雪の予報。
ストレートに雪の話題をとも思いましたが、寒夜の無聊を慰めるために、こんな品はどうでしょうか。


上は最近見つけた謎めいた道具。


北極を中心とする世界地図の上に、円環状の目盛りと、細長い指針状の目盛りが付いています。2つの目盛りは、いずれも北極を中心に地図上をグルグル回るようにできています。


全体の直径は約9cm、盤の厚みは1.5cmほどで、側面には革が貼られています。
いかにも時代がかった風情ですが、もちろん大航海時代のもの…というわけではありません。


ここまで拡大すると分かりますが、地図はオフセット印刷で、要はよくある「アンティーク風」のペーパーウェイト兼オブジェです。


裏面を見ると、「MADE IN ITALY」のシールが貼られており、全体の感じとしては、1960~70年代にイタリアで量産された土産物のようです(アンティーク風の地球儀や天球儀を、イタリアでは輸出用によく作っていました)。

土産物のわりに、モノの説明がきちんと書かれているのは比較的良心的で、文字に目をこらすと「アストロラーベは、当時(1520年)知られていた全ての土地を記載した北半球の地図上に応用された。それは1年のうちの様々な月における、地球の太陽に対する傾きを示すために使われた。」と読めます。

1520年と、ピンポイントで年代を指定しているところを見ると、これはどこかにオリジナルの品があって、そのレプリカなのかもしれません。ただ、上の文章は英語も少し変だし、意味が取りにくいです。

果たしてこの盤はどんな機能をはたすのか?
既にお分かりの方も多いでしょうが、冬の夜長に一寸のんびり考えてみます。

(この項つづく)