植物学講義…子供も学べば大人も学ぶ ― 2016年02月08日 22時01分03秒
理科室絵葉書の話題を続けます。
と言っても、今日の「理科室」は、かのソルボンヌ(パリ大学)の一室です。
「PARIS,- La Sorbonne, laboratoire de Botanique, salle des travaux pratique.」
「パリ、ソルボンヌ植物学実験実習室」
「パリ、ソルボンヌ植物学実験実習室」
1906年の消印が押された絵葉書。
石版ではなく、感光紙に焼付けたもので、今では周辺の銀化が進んでいます。
石版ではなく、感光紙に焼付けたもので、今では周辺の銀化が進んでいます。
黒板を見ると、植物の葉の断面?や細胞構造の説明図があり、みな熱心に顕微鏡観察に励んでいます。
黒板の傍らに立つ髭の人物が、先生でしょう。
教室内には男性の姿が目立ちますが、ちらほら女性も見えます。
教室内には男性の姿が目立ちますが、ちらほら女性も見えます。
それにしても、受講者はみないい年恰好で、到底学生には見えません。中には先生より年上に見える人もいます。
となると、この場面はいったい何かなあ…と、最初不思議に思ったのですが、想像するに、これは各地の教員を対象にした「教育講習会」ではないでしょうか。机上に置かれた機材は、ごくシンプルな学習用顕微鏡で、特に高度な研究が行われている様子もありませんし、その作業内容は一時プレパラートの作成と、顕微鏡の基本操作にとどまっているように見えます。
日本でも同様の催しはあったと思いますが、きっとフランスでも、こういうことに不得手な先生たちに研修の機会を提供し、授業スキルの向上を狙う催しがあったのでしょう。生徒たちの目に触れないところで、先生たちもせっせと頑張っていたわけです。
植物学実験の実習室だから、壁の装飾も花。
まことに単純明快です。
まことに単純明快です。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。