ヘルメスの術師 ― 2016年04月09日 13時56分11秒
ちょっと天文から遠ざかりますが、引き続き回顧モードで、机辺にあるものをランダムに載せます。
小さな箱に入って届いた、1933年結成の「アメリカ医療技術協会(AMST;American Society for Medical Technology )」(※)の徽章。
エナメルを施した銀のクロスの四方に粒真珠を嵌めた、なかなか凝った細工です。
そして、徽章本体に鋳込まれたデザインがまた凝っています。
そして、徽章本体に鋳込まれたデザインがまた凝っています。
顕微鏡、古風なレトルト瓶、そして有翼の杖に2匹の蛇が巻き付いた「ヘルメスの杖」。
黒ずんだ銀の表面に、医学・薬学のシンボルが凝縮されています。
黒ずんだ銀の表面に、医学・薬学のシンボルが凝縮されています。
それにしても、このバッジ。差し渡し約15ミリですから、本当に小さいんですよ。
この原型を作った彫塑師の腕前も大したものです。
この原型を作った彫塑師の腕前も大したものです。
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ときに「ヘルメスの杖」に関連してメモ書き。
もとは、伝説の名医・アスクレピオスが手にした、1匹の蛇が巻き付いた「アスクレピオスの杖」が医術のシンボルだったのですが、それがいつしか旅行と商売の神様・ヘルメスが手にする「ヘルメスの杖」と混同されて、ヘルメスの杖も医学関連の図像として使われるようになった…というのは、さっき検索して知ったことです。

(アスクレピオスの杖。ウィキペディアより)
さらにそこには、伝説の錬金術師ヘルメス・トリスメギストスの連想があり、彼が手にした不老不死の霊薬「賢者の石」のイメージが重なっているのも、まず間違いないところでしょう。そう思うと、このバッジが何か秘密結社のバッジのようにも見えてきます。
★
ちょうど2年前、ちょっと薬学に入れ込んでいた時期があって、あまり記事には書いていませんが、かすかな「ほのめかし」は以下に書かれています。
この銀のバッジも、入手時期を考えると、その流れで手にしたものではないかと思います(わが事ながら、記憶が常にあいまいです)。
(※)現在は「アメリカ臨床実験科学協会(ASCLS;American Society for Clinical Laboratory Science)」に改称
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